美智子さまの代名詞「小皿帽子」は「ファシネーター」と呼ばれるフォーマルな装身具だ(2019年4月、三重県伊勢市。時事通信フォト)

美智子さまの代名詞「小皿帽子」は「ファシネーター」と呼ばれるフォーマルな装身具だ(2019年4月、三重県伊勢市。時事通信フォト)

 話題を呼んでいるのは、批判および誹謗中傷のショッキングな内容だ。

「上皇ご夫妻の出会いのエピソードである『テニスコートの恋』のお話に対しては“古過ぎて老人しか知りませんし時代遅れのロマンスは興味もないです”。また、お出ましの報道に対しては“静かにお忍びで行こうと思えば行けるのに報道陣をわざわざ呼んで記事にさせるのは何故なの?”“せっかく豪華な隠居先を建てたのだからご自宅でゆっくり静養して下さい”と、批判的な目を向ける投稿が相次いでいます。しかも、その投稿に多くの『いいね』が付けられ、コメント欄のトップに上がっているのです。

 さらに、高齢であること自体をバカにする『婆』という表現に加え、美智子さまが外出時にかぶられる帽子が小皿のような形をしていることを揶揄した『皿婆』という隠語まで散見されます。これ以外にも口にするのが憚られるような表現も存在します」(河西さん)

 皇室記者も、美智子さまに対する誹謗中傷が、匿名のネット上で密かに行われていることを認識しているという。

「お出ましが報道されるたびに、『私を見て』と『美智子』をかけた『アテクシミテコ』という表現がSNSで乱立します。美智子さまが、外出されることで目立とうとされている、注目を集めたがっているという誤解に基づくものです。また、美智子さまの眉がつながっているように見えるお写真を“ネタ”にした『一本眉』という、小学生の悪口に過ぎない低レベルな誹謗中傷もあります」

 かつて「ミッチー・ブーム」で国民の敬愛を集め、平成の皇后としてお役目を全うされた美智子さま。なぜいま、これほどまでに異様なバッシングが起きているのか。

「嫁をいじめた姑」は報いを受けるべき

 美智子さまがバッシングにさらされるのは、今回が初めてではない。

「民間出身初の皇后である美智子さまに対するネガティブな感情は、ご結婚当時、皇室内部にもあったそうで、メディアからも“美智子さまは皇室の伝統を毀損する”といった内容の記事が相次ぎ、それが国民からのバッシングにつながりました。決定打となったのは、新御所建設にあたり、上皇ご夫妻(当時は両陛下)の私生活を快楽主義的と批判する報道。1993年、美智子さまはついに失声症を患われました」(前出・皇室記者)

 そのような状況でも、1995年の阪神・淡路大震災の直後には、上皇さまとともに神戸を訪れ、避難所の床に膝を付きながら被災者を励まされた。そのお姿は被災者を勇気づけ、国民の涙を誘った。

「初の民間出身の皇后ですから、重圧は尋常ではなかったでしょう。戸惑われることもあったはずです。それでも美智子さまは、一つひとつの公務やお出ましを丁寧に精力的に取り組まれ、『平成流の皇室』を強く印象付けることに貢献されました。国民も、そんな美智子さまに憧れと尊敬の眼差しを向けるようになり、いつしかバッシングをされることもなくなりました」(前出・皇室記者)

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