美智子さまへの感謝を常々、表明されてきた(10月、鹿児島県鹿児島市。写真/JMPA)

美智子さまへの感謝を常々、表明されてきた(10月、鹿児島県鹿児島市。写真/JMPA)

 それから30年後のいま、美智子さまに何が起こっているのか。河西さんは次のように指摘する。

「上皇后というお立場になったことと、ご高齢になったことに、大きな関係があると思います。というのも、美智子さまに対して批判や誹謗中傷を行っている層を分析してみると、雅子さまと同世代の50?60代の女性で、雅子さまの生き方に共感を覚え、自分自身を投影する“同志”たちなのです。

 彼女たちは“美智子さまが雅子さまをいじめていた”という根拠のない言説を信じてやまない。だから、美智子さまを許せない。自身の境遇を投影し、“嫁をいじめた姑は、年老いたいまこそ報いを受けて然るべきだ”と憤っているのかもしれません」

 確かに雅子さまは皇室に入られて以降、お世継ぎ問題などに苦しまれた。2003年には、当時の宮内庁長官が「秋篠宮さまのお考えもあると思うが、皇室の繁栄を考えた場合、3人目のご出産を強く希望したい」と発言し、物議を醸した。ご体調を崩されていた雅子さまの適応障害が発表されたのは、その翌年のことだった。

「一連の騒動の裏には、美智子さまの強いご意向があったのではないかとささやかれました。ほかに、美智子さまが雅子さまを皇居に呼び出され、側近を通じて皇族としての心得や振る舞いについて厳しく指導された、といった報道もありました。ただ、美智子さまは『皇太子妃の出産』という重圧を誰よりも理解されているはずです。雅子さまを適応障害に追い込むようなことをされるはずがないのです」(前出・宮内庁関係者)

 ところが、雅子さまに親しみを覚える“同志”は誤解を認めようとはしない。

「彼女たちは長年、雅子さまのお立場を不憫に思ってきた。いま、雅子さまは皇后としてご活躍されており、年々、ご調子は上向きの様子です。そこに、美智子さまのお出ましの報道が出ると、上皇后になられてもなお皇后より目立とうとされており、雅子さまを蔑ろにしているという印象を受けるのかもしれません」(前出・宮内庁関係者)

 もっとも、上皇ご夫妻のご近況の報道は、国民にとって価値のあるものとマスメディア各社が判断したうえでなされるものである。ただ、不可思議な点もあると指摘するのは、別の皇室記者だ。

「宮内庁は、上皇ご夫妻の博物館や美術館のお出ましを公式に告知しているわけではないのです。なぜ宮内庁のコントロール下にある報道各社が撮影をすることができるのか。無断での報道を、美智子さまが了承されるとは思えないのですが……」

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