理事選との関係で横槍も?
陸奥親方は時津風一門の理事でもあるが、来年1月の理事選には伊勢ノ海部屋の部屋付きの勝ノ浦親方(元前頭・起利錦)が出馬することになっている。相撲ジャーナリストが言う。
「陸奥部屋の後継となる親方は、将来的な時津風一門の理事候補と言っていい。ただ、伊勢ヶ濱一門では将来的に元横綱・白鵬の宮城野親方が理事になる可能性が高い。そうなると、鶴竜親方や霧島が陸奥部屋を継いで理事候補になったらモンゴル出身の理事ばかり増えて主導権を握られることを懸念し、協会サイドから陸奥部屋の後継者選びに横槍が入る事も考えられる」
来年初場所後の理事選は宮城野親方が出馬を断念したことで、無投票によって10人の理事が選出されるとみられている。ただ、それでもなお各一門内では火種がくすぶっているという。
「出羽海一門や二所ノ関一門では候補者を絞り切れないでいる。あと1期、長くて2期とされる八角理事長(元横綱・北勝海)の後継者を早急に理事に入れるべきではないかの議論がある。その一方、伊勢ヶ濱一門では宮城野親方が断念した一方で、熱海富士の活躍を背景に伊勢ヶ濱親方(元横綱・旭富士)が理事への返り咲きを狙っているとの声もある。来年1月に向けてまだまだ波乱があるかもしれない」(前出・若手親方)
今場所は14日目の割(取組)が13日目の打ち出し後に決まるという異例の措置が取られ、2敗同士の霧島と熱海富士の一番が実現した。審判部の英断に親方衆からは「相撲がわかっている」との賞賛の声が上がった。ガチンコで土俵が盛り上がっているなか、理事選や後継者問題といった土俵外の話題も、白熱しているようだ。