「参列者を見渡してもいないし、ズラッと並ぶ供花を見ても唯一名前がない。Toshlさん、マジかよ……って。もうX JAPANは完全に終わったと思いましたね」。眉間にしわを寄せ、険しい表情で語る音楽関係者の目には、涙がにじんでいた。10月29日に大腸がんで亡くなったX JAPANのベーシスト・HEATHさん(享年55)を偲ぶお別れ会が、11月28日に行われた。正午から始まった「一般献花」には約1万人のファンが来場。夜10時30分頃から「関係者献花式」が執り行われたのだが、前出の音楽関係者は、そこで見た光景にショックを隠し切れなかったようだ。
「X JAPANメンバーのYOSHIKIさん、PATAさん、SUGIZOさんをはじめ、約100人のバンド仲間が集まりました。ですがToshlさんの姿がなかったんです。“今日くらいは、全員で送り出してあげればいいのに”と思っていた参列者も少なくはなかったはずです」(前出・音楽関係者)
X JAPANは1997年に一度解散したが、10年後の2007年に再結成。その後、金銭トラブルなどが原因でYOSHIKIとToshlの間に軋轢が生じ、2018年のライブを最後に同バンドは活動していない。2人はここ5年間で一度も顔を合わせておらず、やりとりは弁護士を介して行われている。
そんな状況であっても、仲間との別れの場に現れなかったToshlに失望した関係者は少なくなかった。それほどまでに彼はYOSHIKIに会いたくなかったのか。
「不参加は、Toshlさんの意思ではないんです」
と明かすのは、別の音楽関係者だ。
「関係者の献花式があったことや、メンバーが集まることをToshlさんだけ知らされていなかったそうなんです。一般の献花式だけだと思っていたみたいで……このお別れの会はYOSHIKIさんが発起人でしたから、2人の関係を考えて、Toshlさんに連絡を入れるべきではない、と勝手に忖度した人がいたのかもしれません。
ToshlさんはHEATHさんのソロ曲をカバーしてネットにアップするなど、人一倍HEATHさんを偲んでいるように見えます。誰からも連絡のなかったToshlさんは、自分だけが参加していなかったことを翌日の報道で知ったそうです」