お金ではなく、チームのことを考え、勝利のために全力を尽くす。エンゼルスでは地区優勝はおろか、プレーオフ進出も叶わなかった大谷。彼が何よりも優先したのは、ワールドシリーズ優勝だった。
「入団会見では、“勝利”をいちばんに考えて移籍先を選択したことを明かしました。11年連続でプレーオフに進出しながら、大谷選手との交渉の席で『この10年を成功とは捉えていない』と語った球団幹部の言葉も、大谷選手の心を掴んだそうです」(前出・在米ジャーナリスト)
だが、“弱小”エンゼルスから人気と実力を兼ね備えた“常勝”ドジャースへの移籍は、大谷にとって“修羅の選択”となる可能性が高い。
「大谷は6年間甘やかされた」
前出の在米ジャーナリストが続ける。
「エンゼルスでの大谷選手は、二刀流挑戦のために、彼を中心にローテーションを組んでもらう特別待遇。囲み取材は先発した試合の登板後のみで、報道対応でもエンゼルスは大谷選手に最大限の配慮をしてきました。
FAを控えた2023年シーズンは肘のけが以降、メディアの前から姿を消し、不気味なほど沈黙を貫いた。しかし、ドジャースでは、こうした“秘密主義”は許されないでしょう。むしろ、“特別”だからこそチームの顔として率先して発信することが求められるのです」
エンゼルスの本拠地・アナハイムは人口約35万人。対してドジャースの“ホーム”であるロサンゼルス(以下、ロス)は人口約400万人で全米第二の大都市だ。アナハイムとロスは車で1時間ほどの距離だが、ロスの名物といえば大渋滞。大谷も引っ越し先を探している最中だという。
「ロスではドジャースの選手が住むエリアが特定されたり、夕食の予約が監視されたりするなど、私生活が丸裸にされることもよくある話です」(前出・在米ジャーナリスト)
周囲の騒がしさが増すうえに、抜群の注目度を誇るため、現地メディアの報道も過熱することが予想される。
「入団会見でも早速、野球とは無関係の質問が飛び、愛犬の名前を聞かれた大谷選手が『デコピン』と明かす場面もありました。これはほんの序の口で、今後、大谷選手は“球団の顔”として、さまざまな役割を求められることになる。すでに移籍市場のもう1人の目玉である山本由伸投手との交渉に同席したともいわれています」(スポーツライター)