警察や軍関係、暴力団組織などの内部事情に詳しい人物、通称・ブラックテリア氏が、関係者の証言から得た驚くべき真実を明かすシリーズ。今回は、元組長が明かすヤクザたちの正月の過ごし方と、今も子分たちに振る舞って評判という「まかないご飯」について。
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年末年始が近づき、暴力団でも新年を迎える準備が進んでいる。若い頃は上部団体の若い衆として住み込み、日々、食事当番でその腕を磨いてきたという元組長に、当番としておせち料理を作ったことがあるか聞く、「さすがにおせちは作らなかった」と大笑いしながら首を横に振った。
上部団体の親分の所には、さまざまな関係者が新年の挨拶回りにやってくる。「客人に下手な物など振る舞えない。高級料亭とか有名な料理屋やレストランとか、おせち料理の準備はプロに任せていた」。元組長が当番をやっていた頃は、暴力団対策法(暴対法)も暴力団排除条例(暴排条例)もない。幅広い人脈を持ち派手に金を使う暴力団は、飲食店や水商売の店にとっていいお客。自分らが経営に携わる店もあったのだ。「おせちを持って正月の挨拶に来る客もいれば、酒を持参してくる客もいた。他の組の組長らは、挨拶帰りに部屋住みの若い衆らに小遣いならぬお年玉を配ることもあった」と元組長は懐かしがる。
引退してからも子分や知人、関係する飲食店の社員らにその腕をふるう元組長は、手軽にちゃちゃっと作れて旨い”当番レシピ”の料理が評判だ。「組事務所で作る料理は味が濃い目でご飯が進むような物。がっつりしっかり食べれるように」という組長に、多忙な年末にささっと作れる旨い料理を聞いた。
まずは生姜ご飯だ。「生姜ご飯は炊いている時に、部屋が生姜のにおいでいっぱいになり。生姜好きにはたまらない」と、鼻をふくらませる。寒い冬には身体が温まるし、この時期の生姜は新生姜ほど辛みもない。材料は米2合、生姜は50~100gを千切りに、量はお好みで調節。塩昆布はお好みで。調味料は白だしを大さじ2、醤油大さじ1、砂糖小さじ1。
「甘いのが好きでなければ砂糖はなしで」(元組長)。米を研いで炊飯器に入れ、水は2合分よりやや少なめ、調味料を入れてよく混ぜ、生姜を乗せてご飯を炊く。炊き上がったら混ぜて蒸らす。ここに塩昆布を入れれば、塩気のある味になる。元組長は「メチャ生姜を入れた方がうまい」という。