穴水町の避難所には屋外で迷い犬がビニールテープで繋がれていた(1月7日撮影)

穴水町の避難所には屋外で迷い犬がビニールテープで繋がれていた(1月7日撮影)

慣れるまでは犬同士が吠え合っていた

 ペット同伴で避難する人たちも存在する。そのため、輪島市の避難所となっている石川県立輪島高等学校では学校を開放し、ペット同伴者が入れる教室と、それ以外の教室に分けていた。避難所の職員はこう話している。

「1年3組の教室は、ペットを飼っている方のためのスペースになっています。ただ、ペットフードの支援物資はないので、こちらでは飼い主の方たちがどうしているかは分かりません。水はたくさん届いているため大丈夫だと思いますが、トイレをどうしているかも把握していないです」

 1年3組の教室で、犬を撫でていた50代男性に話を聞いた。

「私たちは夫婦でここに避難してきました。明後日にはここを出たいんですが、車が家で潰れてしまって足がなく、どうやって出ようかと悩んでいます。

 普段は金沢に住んでいて、年末年始で輪島に帰省していました。犬の散歩から帰ってきた時に揺れを感じた。最初は大した揺れではなかったのですが、数分後に下から突き上げるような大きな揺れがきたんです。あまりの大きさに夫婦2人で背中から転んで、そのままブレイクダンスのように体が床を跳ねていました」

 散歩から自宅に戻ったばかりのタイミングだったので、揺れが収まったあとはリードをつけたままの状態の犬を抱えて避難したという。

「道中では目の前で他の家の納屋が潰れたりして、事態の深刻さを実感しました。ペットを飼ってない方もいらっしゃいますが、1年3組の教室が基本ペット可のスペースになっていて、このあと猫が5匹くると市の職員の方が教えてくれました。

 ここにいる犬同士のケンカはないですが、夜に吠え合うことはありますね。1匹吠えたら、他の犬もつられて吠える。みんな犬を飼い慣れている人ばかりなので、おそらく眠れないということはないと思いますが……」

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