福島県などから避難してきた人の話を聞かれる両陛下(2011年4月、東京・調布市。時事通信フォト)

福島県などから避難してきた人の話を聞かれる両陛下(2011年4月、東京・調布市。時事通信フォト)

被災者の話に涙ぐまれて

 雅子さまは2021年のお誕生日に際するご感想で、東日本大震災から10年が経過したこと、被災者らとオンラインで面会をしたことに触れ、「今もなお生活を再建できずにいる方や、癒えることのない心の傷を抱えた方々もおられることに心が痛みます。今後とも、陛下と御一緒に被災地の方々に心を寄せていきたいと思っております」と言及されるなど、これまでも被災者に寄り添われてきた。

 1995年、阪神・淡路大震災。当時皇太子妃だった雅子さまは、中東訪問を途中で切り上げて帰国され、被災地を立て続けに訪問された。

「15年目の追悼式に出席されるため、2010年、雅子さまは神戸を訪問されました。病気療養中であった雅子さまにとって宿泊を伴う地方公務は2年ぶりでした。なんとしても被災者の方に寄り添いたいという思いの強さがうかがえました」(前出・皇室記者)

 東日本大震災の際には、発生から1か月も経たないうちに、二次避難先となっていた都内の避難所を訪問された。5月にも埼玉で二次避難者を見舞われ、そして6月に宮城県、7月に福島県、8月に岩手県と、3か月連続で被災地を直接訪問された。

「当時、公的な外出は年数回程度にとどまっていましたが、雅子さまが強く望まれ訪問が実現したそうです。雅子さまは家族を失った悲しみ、津波の恐怖といった被災者の話に直接耳を傾けられ、時折涙ぐまれる場面もありました。

 被災者からは雅子さまご自身のご体調について、また、当時不登校問題が取り沙汰されていた愛子さまについての“逆質問”も飛び出したそうです。雅子さまは“お互いに頑張りましょう”と声をかけられ、そのお姿に励まされた被災者の方も多かったといいます」(前出・皇室記者)

 こうした雅子さまの姿をご覧になって育たれた愛子さまもまた、震災を憂慮されている。中学3年生だった2016年以来、東日本大震災の発生日には両陛下とともに黙祷を捧げられており、2022年3月の成年に際する記者会見の冒頭では、前日深夜に発生した福島、宮城で震度6強を記録した地震に自ら言及され、「昨夜の地震により亡くなられた方がいらっしゃると伺いまして心が痛んでおります。ご遺族の皆様と被災された方々に心よりお見舞い申し上げます」と述べられた。

 また、昨年10月には、雅子さまが名誉総裁を務められる日本赤十字社主催の、関東大震災100年の企画展を両陛下とともにご覧になった。

「愛子さまは自ら見学を希望されたそうで、熱心に展示をご覧になっていました。事前に赤十字の歴史を学ばれていたご様子でもあり、案内担当者の説明に先んじて質問をされ、“先走ってしまいました”とはにかまれる場面もありました」(前出・宮内庁関係者)

 現在、愛子さまは学習院大学の4年生。昨年12月に卒業論文を提出され、あとは提出した論文についての口述試験を受ければ、晴れてご卒業である。

「1月19日に開催される歌会始の儀は学業優先のため欠席される予定だそうですが、2月に入り、ご卒業が近づくにつれ、愛子さまの皇族としてのご活動の機会も多くなるのではないでしょうか」(前出・皇室記者)

 コロナ禍が落ち着いた大学4年次以降、愛子さまの外出の回数は格段に増えた。

「昨年12月のお誕生日に際して、愛子さまの近況は“成年皇族としての経験を少しずつ積まれている”と紹介されました。大学在学中は学業に専念されたぶん、ご卒業後は公務にも積極的に取り組みたいというご意向なのかもしれません。天皇ご一家で公務やお出ましをなさることも今後は増えていくでしょう。

 そこで2月以降に期待されるのが、愛子さまを含めた天皇ご一家での被災地へのご訪問です。愛子さまのご訪問が被災者の励みとなることは、雅子さまにとっても心強いのではないでしょうか」(前出・皇室記者)

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