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元横綱・鶴竜が音羽山部屋立ち上げで、大関・霧島が所属する陸奥部屋の行く末はさらなる混沌へ

大関・霧島、綱取りとは別の重大事も(時事通信フォト)

大関・霧島、綱取りとは別の重大事も(時事通信フォト)

 大相撲初場所で横綱昇進に挑んでいる大関・霧島。ただ、綱取りとは別の重大事も抱えている。所属する陸奥部屋の閉鎖危機が目の前に迫っているのだ。

 霧島の四股名は鹿児島県霧島市出身の師匠・陸奥親方(元大関・霧島)から受け継いだもの。その師匠が今年3月場所後に65歳の定年を迎え、再雇用制度を利用して参与として相撲協会に残ることになっている。

 再雇用されると部屋持ち親方ではいられなくなるが、後継者が決まらず存続が危ぶまれる状況となっている。相撲担当記者が説明する。

「もともと陸奥部屋には3人の部屋付き親方がいたが、立田山親方(元前頭・薩洲洋)は再雇用の参与で部屋持ちになる資格がない。浦風親方(元前頭・敷島)は“自分は顔じゃない”と固辞していた。残るのが元横綱・鶴竜の鶴竜親方で、部屋を継ぐ条件となる年寄名跡入手が困難でみられていました。それゆえ、陸奥部屋は後継者が見つからずに閉鎖という見方が広まっていた。

 それが、昨年末になって鶴竜が『音羽山』を襲名することが発表されたのですが、同時に独立して音羽山部屋を興すということが明らかになった。陸奥部屋の後継者選びはいよいよ暗礁に乗り上げた格好で、所属力士らの先行きがどうなるのか注目されています」

 すでに墨田区向島で音羽山部屋立ち上げの準備が進んでおり、陸奥部屋から旧井筒部屋所属の力士2人(鋼、竹内)と床山を連れての独立となる。鶴竜も2019年に亡くなった井筒親方(元関脇・逆鉾)の愛弟子だ。「音羽山」襲名に至った背景には、閉鎖された旧井筒部屋の再興というファクターもありそうだ。時津風一門関係者が言う。

「『音羽山』はもともと、二子山部屋の貴ノ浪(元大関)が持っていた株だが、現役親方だった2015年に急死。その後、貴乃花親方(元横綱)や先代の阿武松親方(元関脇・益荒雄)の手を経て、同じ貴乃花一門だった湊親方(元前頭・湊富士)が弟子の逸ノ城のために入手したとされるが、部屋の中で関係がこじれて逸ノ城は廃業してしまい、再び宙に浮いた。

 湊親方は、亡くなった井筒親方の実弟で昨年12月に亡くなった錣山親方(元関脇・寺尾)とともに、時津風一門から貴乃花一門に合流した経緯がある。『音羽山』が鶴竜に渡ったのは、錣山親方が井筒部屋再興のために尽力した結果とも見られています。

 状況を考えれば、鶴竜は『音羽山』を入手した段階で、『陸奥』と名跡交換して部屋を継ぐのが自然だが、井筒部屋の再興も視野に入るから、旧井筒部屋の力士と床山を引き連れての独立となったのではないか」

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