その結果、陸奥部屋の先行きは不透明な状況が続いている。相撲ジャーナリストが言う。
「陸奥親方としては鶴竜よりも、自分の四股名を継がせた現役大関・霧島に部屋を継いでもらいたい気持ちが強いようだ。一度は部屋が閉鎖されても、霧島が引退後に『陸奥』を継いで、部屋を再興すればいいという考えではないか。ただ、部屋が閉鎖されれば霧島はじめ部屋の力士は移籍を余儀なくされる。
鶴竜の興した音羽山部屋に移籍する可能性も取り沙汰されているが、むしろ有力なのは霧島が頻繁に出稽古に通っていて手が合う時津風一門の荒汐部屋といわれています。若元春や若隆景といった稽古相手がいる環境は魅力的だし、本場所で対戦がなくなる有利になる側面もある」
移籍先となる部屋としては、横綱がいれば入門者の増加が見込めるなどのメリットがある。今場所で綱取りを果たせば、複数の部屋が霧島の“争奪戦”を繰り広げることになるのかもしれない。
※週刊ポスト2024年2月2日号