能登半島地震で大きな被害を受けた石川県輪島市出身の漫画家・永井豪さん(78)が24日、最新作『柳生裸真剣』を連載中の本誌・週刊ポストの単独インタビューに応じた。同日に永井さんと所属プロダクションは石川県と輪島市に1000万円ずつを寄付することも発表。故郷・輪島の思い出と復興への願いを語った──。
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輪島には小学1年生の夏まで住んでいました。港町で、海女さんの子供たちが銛で魚やカニを捕っているのを波止場から見ていた。3~4歳の頃だと思いますが、いたずらっ子が僕の頭にカニを乗せてきて、ビックリした記憶があります。当時の住まいは、「永井豪記念館」のある朝市通りから一本道を入った、すぐ近くの借家でした。
元日に能登半島地震が起きた時、僕は年賀状をチェックし終えてテレビを見ていた。地震だと思ったら、震源は能登半島。津波警報も出て、朝市通りや港町の風景を思い出して心配になりました。
能登半島は近年、地震が多かった。記念館は輪島市の発案で建てられたもので、2007年の地震(輪島市、七尾市、穴水町で震度6強)が起きる前は今よりも大きな記念館にする構想もありました。
でも、2009年に記念館ができた時は構想よりコンパクトになったことなんて気にならないくらい嬉しかったですね。僕は名誉館長として、年1回は展示を入れ替え、内容を監修し、原画などを貸して協力してきました。
ファンの方から、今回の震災ですべての原画がなくなってしまったのかと心配の声もいただきましたが、失われたと思われるのは展示中の100点あまりです(編集部追記:その後、1月25日になって原画やフィギュアは消失せず現存していることが判明)。それもデータ化してあるのでまた皆さんに見てもらうことはできます。仮に完全になくなっても、自分がゼロから作ったものがゼロに戻っただけなので、また描けばいい。それよりも街が復興し、人々の生活がもとに戻ることが大切だと思っています。