内視鏡下副鼻腔手術をしても再発する難治例に対しては生物学的製剤デュピクセントが2020年から保険収載された。これはIL-4とIL-13という2つのサイトカインの働きを抑えることで、副鼻腔の炎症を改善、ポリープを縮小させる。2週間に1回の皮下注射を行ない、ステロイドを内服しなくても良好な状態を維持できる。
「治療は非常に効果的なのですが、保険診療でも自己負担が3割で、1か月に約4万円の費用がかかります。長期に継続しなければ効果が維持できないため、経済的負担が大きいのが難点です。それでも治療を開始すると、その効果を実感できますし、継続を希望される患者さんが多いのも事実です」(中村医師)
慢性副鼻腔炎はタイプにより、治療選択肢が広がっている。まずは専門医で、どのタイプかを診断した上、早期に治療を開始することが、鼻づまりなどのイライラを解消でき、生活の質を向上させる。
取材・構成/岩城レイ子
※週刊ポスト2024年2月2日号