ビジネス

「仕事はできるが横暴な人」は有用なのか 長い目で見れば生産性悪化は必至

安楽智大投手による同僚へのパワーハラスメント行為について、記者会見で頭を下げる楽天の森井誠之球団社長(左)。2023年11月30日(時事通信フォト)

安楽智大投手による同僚へのパワーハラスメント行為について、記者会見で頭を下げる楽天の森井誠之球団社長(左)。2023年11月30日(時事通信フォト)

 出世する人は嫌なヤツばかり、ということを、なぜかどの組織でも言われ続けてきた。今でも「仕事はできるが横暴な人」が様々な職場には存在し、それを容認することが仕事をすることなのだと思い込まされている。だが、どんな地位にある人であっても、どれだけ仕事ができる人であっても、人の尊厳を傷つけてよいという理由にはならない。ライターの宮添優氏が、「仕事は出来るが横暴な人」によって苦しんだ体験や、容認することで自分もハラスメントに加担してしまった後悔についてレポートする。

 * * *
 いま「仕事はできるが横暴な人」と言われて、あなたの頭に一人、いや数人の顔が思い浮かぶのではないだろうか。なぜ、こうした横暴な人たちが問題にされないのかと疑問を持っても、仕事はできるので難があっても置いておきたいという上司の意向が後ろ盾になり、あるいは部下たちからは、人間性に問題はあるが仕事ができるのでいてもらわないと困る、といった理由を説明され、私やあなたたちの職場に存在しつづけている。だが、本当にそれで良いのか。

 プロ野球の楽天ゴールデンイーグルスが、自由契約を言い渡した安樂智大選手に、チームメートへのハラスメント行為があったと公表すると、自分たちの職場のあり方を改めて考える人がSNS上にも複数現れ、議論が展開された。そして、ネットだけでなくリアルでも「仕事はできるが横暴な人」問題について考え直している人たちがいる。

パワハラがあることでの損失

「安楽選手の件は、私も原稿を書きながら色々と考えました。プレー(仕事)は文句なしだが、部下へのパワハラやセクハラがひどい、という同僚や上司がわんさかいるので。ああいうのを許すと、組織全体が腐るのは間違いない」

 こう振り返るのは、大手スポーツ紙のプロ野球担当記者・笹塚勇平さん(仮名・20代)。笹塚さんは、楽天を事実上のクビになった安樂選手の取材を通じて、自身の環境を見直さざるを得なかったという。

「安樂選手はピッチャーで、この数年は登板機会も多く、チームの中枢選手と言って良よかった。しかし、成績が上がるほど部下へのパワハラやセクハラが過激になり、他の選手もその実態を把握しているのに言えなかった。まさに『仕事はできるが横暴な人』の典型です。重要な戦力を失ったチーム側も相当に苦しいはずですが、処分が遅かったという指摘はあっても、セクハラやパワハラを許さないという球団の姿勢は評価されてよいはずです。うちの会社は旧態依然というほかありません」(笹塚さん)

 笹塚さん自身、新人記者時代に、壮絶なパワハラで有名だが仕事の鬼という上司にコテンパンにやられたとき、その都度、別の上司から「あれくらい耐えられないと記者になれない」とアドバイスを受けた。では今、あのときの体験が役立っているかと言われたら「パワハラ、セクハラを耐えたから記者になった、という奴なんか信用できない」と冷静に評価する。

関連記事

トピックス

国際ジャーナリスト・落合信彦氏
【訃報】国際ジャーナリスト・落合信彦氏が死去、84歳 独自の視点で国際政治・諜報の世界を活写 
NEWSポストセブン
元日に結婚を発表した女優の長澤まさみ(時事通信フォト)
長澤まさみ「カナダ同伴」を決断させた「大親友女優」の存在…『SHOGUN』監督夫との新婚生活は“最高の環境”
NEWSポストセブン
薬物で急死した中国人インフルエンサー紅紅(左)と交際相手の林子晨容疑者(右)(インスタグラムより)
「口に靴下を詰め、カーテンで手を縛り付けて…」「意識不明の姿をハイ状態で撮影」中国人美女インフルエンサー(26)が薬物で急死、交際相手の男の“謎めいた行動”
NEWSポストセブン
晩餐会に出席した真美子さんと大谷(提供:soya0801_mlb)
《真美子さんとアイコンタクトで微笑み合って》大谷翔平夫妻がファンを驚かせた晩餐会での“サイレント入退場”「トイレかなと思ったら帰っていた」
NEWSポストセブン
畠山愛理と鈴木誠也(本人のinstagram/時事通信)
《シカゴの牛角で庶民派ディナーも》鈴木誠也が畠山愛理の肩を抱き寄せて…「温かいご飯を食べてほしい」愛妻が明かした献身性、広告関係者は「大谷&真美子に引けを取らないパワーカップル」と絶賛
NEWSポストセブン
最新情勢をもとに東京の30選挙区の当落を予測した(時事通信フォト)
【2・8総選挙「東京1〜10区」の最新情勢】公明の連立離脱で現職閣僚が落選危機か 自民の優勢が伝えられるなか中道の前職がリードする選挙区も
NEWSポストセブン
第74回関東東海花の展覧会を視察された秋篠宮家の次女・佳子さま(2026年1月30日、撮影/JMPA)
《雪の精のよう》佳子さま、ゴールドが映える全身ホワイトコーデに上がる賞賛の声 白の種類を変えてメリハリを出すテクニック
NEWSポストセブン
イギリス出身のお騒がせインフルエンサー、ボニー・ブルー(TikTokより)
《あなたが私を妊娠させるまで…》“12時間で1000人以上と関係を持った”金髪美女インフルエンサー(26)が企画を延期した真相に「気色悪い」と批判殺到
NEWSポストセブン
イラク出身のナディア・ムラドさん(EPA=時事)
《ISISに囚われた女性が告発》「お前たちは “奴隷” になるためにいる」「殴られ、唾を吐きかけられ、タバコの火で焼かれた」拉致された末の“生き地獄”の日々とは
NEWSポストセブン
ハナ被告の相次ぐ麻薬関連の容疑は大いに世間を騒がせた(Instagramより。現在は削除済み)
《性接待&ドラッグ密売の“第2の拠点”をカンボジアで計画か》韓国“財閥一族のミルク姫”が逮捕、芸能界の大スキャンダル「バーニング・サン事件」との関連も指摘
NEWSポストセブン
アワードディナーに初めて出席した真美子さん(提供:soya0801_mlb)
《鎖骨見せワンショルで“別人級”》大谷翔平の妻・真美子さん、晩餐会ファッションで見せたジャパン推しの“バランス感覚”【専門家が解説】
NEWSポストセブン
サンシャインシティ文化会館を訪問された佳子さま(2026年1月30日、撮影/JMPA)
《メイク研究が垣間見える》佳子さま、“しっかりめ”の眉が印象的 自然なグラデーションを出す描き方、ナチュラルなアイシャドウやリップでバランスも
NEWSポストセブン