比嘉健二(ひが・けんじ)/1956年、東京都足立区出身。1982年にミリオン出版に入社。『ティーンズロード』『GON!』などを立ち上げる。現在は編集プロダクション『V1パブリッシング』代表

比嘉健二(ひが・けんじ)/1956年、東京都足立区出身。1982年にミリオン出版に入社。『ティーンズロード』『GON!』などを立ち上げる。現在は編集プロダクション『V1パブリッシング』代表

『笑点』のレディース少女

一之輔:いないんだから、紹介しようがないですよね(笑)。だけどああいう雑誌が持っていた“間口の広さ”は寄席の雰囲気と似ている気がします。硬いのもあれば、くだらない与太話もあるし、全部の噺が万人に受けるわけじゃない。そもそも僕は落語でもラジオのフリートークでも、お客さん全員が笑うものって、実はそんなに面白くないんじゃないかと思っていて。

比嘉:それは自分も一緒ですね。誌面を作る時に考えるのは、東京ドームのジャイアンツ戦のこと。一回の観客数が4万人と言われている。その規模感の人達が楽しんで読んでくれるようなテーマやネタを探すようにしてるんです。

一之輔:わかります、僕もよくあえてお客さんがきょとんとするような伝わりづらいネタを挟んで万人に受けないようにしているから……。

比嘉:でもそんな一之輔さんが『笑点』のオファーを受けたっていうのがすごいですよね。テレビには絶対出ないような孤高のミュージシャンが、あえて紅白歌合戦に出るような“逆のかっこよさ”を感じました。

一之輔:いまだに違和感があるって言われますし、『笑点』公式グッズとして出演者全員の顔を模した人形焼があるんですけれど、みんな笑顔なのに僕だけ仏頂面で口をへの字にしてにらみ付けてる。『ティーンズロード』のグラビアページでポーズを決めてる女総長たちと同じ顔してるんです(笑)。

比嘉:アハハ。確かに一之輔さんの眼光の鋭さは彼女たちに負けず劣らずかもしれない。

一之輔:ちょっとイレギュラーな存在として怒られないギリギリのところを嗅ぎ分ける嗅覚は持っていたいですよね。完全にホワイトな人間になったら面白くないから。

比嘉:全く同意見です。雑誌も笑いも「ギリギリ」が一番面白いんじゃないかな。

【プロフィール】
春風亭一之輔(しゅんぷうてい・いちのすけ)/1978年、千葉県野田市出身。2001年に春風亭一朝に入門し、2012年に真打ちに。テレビやラジオにも多数出演。2023年2月からは『笑点』メンバーに。

比嘉健二(ひが・けんじ)/1956年、東京都足立区出身。1982年にミリオン出版に入社。『ティーンズロード』『GON!』などを立ち上げる。現在は編集プロダクション『V1パブリッシング』代表。

※週刊ポスト2024年3月1日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

紅白初出場のNumber_i
Number_iが紅白出場「去年は見る側だったので」記者会見で見せた笑顔 “経験者”として現場を盛り上げる
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
大村崑氏
九州場所を連日観戦の93歳・大村崑さん「溜席のSNS注目度」「女性客の多さ」に驚きを告白 盛り上がる館内の“若貴ブーム”の頃との違いを分析
NEWSポストセブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
佐々木朗希のメジャー挑戦を球界OBはどう見るか(時事通信フォト)
《これでいいのか?》佐々木朗希のメジャー挑戦「モヤモヤが残る」「いないほうがチームにプラス」「腰掛けの見本」…球界OBたちの手厳しい本音
週刊ポスト
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
電撃退団が大きな話題を呼んだ畠山氏。再びSNSで大きな話題に(時事通信社)
《大量の本人グッズをメルカリ出品疑惑》ヤクルト電撃退団の畠山和洋氏に「真相」を直撃「出てますよね、僕じゃないです」なかには中村悠平や内川聖一のサイン入りバットも…
NEWSポストセブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト
連日大盛況の九州場所。土俵周りで花を添える観客にも注目が(写真・JMPA)
九州場所「溜席の着物美人」とともに15日間皆勤の「ワンピース女性」 本人が明かす力士の浴衣地で洋服をつくる理由「同じものは一場所で二度着ることはない」
NEWSポストセブン
イギリス人女性はめげずにキャンペーンを続けている(SNSより)
《100人以上の大学生と寝た》「タダで行為できます」過激投稿のイギリス人女性(25)、今度はフィジーに入国するも強制送還へ 同国・副首相が声明を出す事態に発展
NEWSポストセブン