NHKの朝ドラ『ブギウギ』がクライマックスを迎えようとしている。ヒロイン・スズ子(趣里、33)をすぐそばで支える「山坂コンビ」を演じるのは、スズ子のマネージャー・山下を演じる近藤芳正(62)と、村山興業東京支社長・坂口を演じるメッセンジャーの黒田有(54)だ。主人公を引き立てる2人が『ブギウギ』出演を通じて感じた“スズ子愛”を語った。【全3回の第3回。第1回から読む】
舞台公演やってほしい
近藤:趣里ちゃんとは現場で一緒にいる時間も長く、よく色んなお話をしていたので、僕はもう“親戚のおじちゃん”みたいになってましたよ。
黒田:スズ子のキャラクターがこの作品の大きな魅力ですけど、あれは作られたものではなく趣里ちゃん自身がもともと持ち合わせているものなんです。天真爛漫で可愛らしい。はじめは20代前半だろうなと思っていたのですが、撮影期間中に彼女の誕生日パーティーがあって実年齢(33歳)を知って驚きました。
近藤:スズ子が靴磨きの少年を悪ガキたちから助けるために、「なにしてんねんなアンタら!」と一喝して追い払うシーンでは、まるで足先から出てくるようなすごい声だった。感情をあらわにして怒ったり怒鳴ったりするシーンが、趣里ちゃんは本当にすごい。
何回か朝ドラに出させてもらいましたけど、趣里ちゃんが演じたスズ子は、朝ドラの歴史に残るヒロインだと思います。普通の朝ドラとは全く違って、スズ子ひとりのストーリーが描かれて趣里ちゃんが出ずっぱりで、毎週のように本格的なステージシーンもある。朝ドラ史に残る事件ですよ。
黒田:あんな華奢な女性が寝る間も惜しんで頑張っている姿を近くで見ていたら、情が湧いてくるし、みんな“親戚のおじちゃん”みたいになりますよ。脇で彼女を支えてあげたい、と全員が思っていたはずです。