昔からある詐欺だと知っているはずがSNS型になると判断が鈍る。豊田商事事件直後に警視庁が作成した悪徳商法防止のポスター。1985年7月、警視庁(時事通信フォト)

昔からある詐欺だと知っているはずがSNS型になると判断が鈍る。豊田商事事件直後に警視庁が作成した悪徳商法防止のポスター。1985年7月、警視庁(時事通信フォト)

 投資詐欺はやはり男性の被害が多いのかというと、被害者は男性が56.9%で女性が43.1%。男性の方がやや多いが、男女で明らかな差があると言い切れるほど大きな違いはなく、被害額も男女間で大きな差はない。

 インターネットは、それにアクセスできる環境さえあれば、すべての人に平等に情報が開かれるものだが、詐欺被害も等しく分布している様子がわかる。自分には縁が遠いものだと無関心でいることは、実は被害を呼び込んでしまう可能性がある。その手口をあらかじめ承知していることが、詐欺への予防にもなるからだ。

男性はFacebook、女性はInstagram

 SNS経由で詐欺を狙う人たちが、騙そうとする相手への当初の接触手段はSNSのダイレクトメッセージがほとんどだ。被害の件数や被害額には男女差があまりないことが分かっているが、どのSNSがきっかけだったのかについては、男女の違いがあらわれている。

 SNS型投資詐欺では、男性が被疑者と知り合ったのはFacebook(22.1%)、LINE(21.1%)、Instagram(17.9%)など。女性はInstagram(31.5%)が多く、LINE(19.2%)、マッチングアプリ(14.1%)と続く。

 いずれも、その後LINEに移ってやり取りをして被害につながっている。前述の例のように、いきなりLINEグループに追加され、そのまま騙されてしまったケースも多い。

 ロマンス詐欺で被疑者と知り合ったSNSをみると、男性がFacebook(33.7%)、マッチングアプリ(25.7%)、Instagram(18.8%)。一方女性は、Instagram(48.1%)、マッチングアプリ(24.2%)が多く、こちらも性別によって接触ツールは異なっている。

 そして、投資とロマンス、男女どちらでも、約9割がLINEに移行してやり取りをし、現金や仮想通貨(暗号資産)などの投資などを持ちかけられていた。

 そもそも、SNSはプラットフォームごとにユーザーの年齢層や属性に特徴がある。Facebookは中高年男性ユーザーが多く、Instagramは女性全般に人気が高い。普段利用する人気のSNSを狙って詐欺が行われているというわけだ。

 ダイレクトメッセージやLINEは閉じた空間でのやり取りができる上、やり取りにより相手との距離感が縮まりやすい。そのため、加害者側からも利用しやすい場と考えられるのだ。

孤独に悩む中高年男女が「次はない」

 SNS型の詐欺被害者は男性が50~60代、女性が40~50代が多く、40~50代が全体の5割を占めるなど、若い世代が被害に遭っている。子供や孫を装った電話で現金を用意させたりATM振込をさせる特殊詐欺が、被害者の約8割を65歳以上が占めていること比べると、中年層の割合が高いのが特徴だ。

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