ライフ

春なのに気が重いアルハラ被害者たち いまだに「酒が飲めなきゃ人権がない」と感じる人も

2023年3月、飲食を伴う宴会が4年ぶりに解禁された上野公園で花見を楽しむ人たち(時事通信フォト)

2023年3月、飲食を伴う宴会が4年ぶりに解禁された上野公園で花見を楽しむ人たち(時事通信フォト)

 春になったら花見や行楽、歓送迎会を心置きなく楽しめると浮き立つ気持ちでいる人も多いだろう。その一方で、どうしても飲み会、とくに会社の飲み会が嫌で暗い気分になるのを隠せないという人も。飲酒を強要し、飲めない人への配慮をせず、酔って迷惑行為を働く、アルコール・ハラスメントの季節が復活しそうな気配だからだ。人々の生活と社会の変化を記録する作家の日野百草氏が、いまも続くアルハラについて取り上げる。

 * * *
「酒の飲めない奴は人権がないって感じです。一人や二人が強要するならともかく部署というか、組織全体でそんな感じなんで、この時期は気が重い」

 30代の地方銀行員は歓送迎会シーズン真っ只中に心底嫌そうだ。3月から4月にかけては職場、学校、地域の団体などで歓送迎会やお花見、年度末や新年度をきっかけとした「飲み会」が催される。

 飲み会、好きな人はいいが、好きでない人もいる。飲めない人もいる。しかしそれでも出なければならない事情がある。いわゆる「コミュ障」や人嫌いはもちろん、もっともやっかいとされるのが「飲酒の強要」、その名もアルコール・ハラスメント(アルハラ)である。厚生労働省にも、

〈日本においては、飲酒による暴言・暴力やセクハラなどの迷惑行為は「アルハラ」と呼ばれており、この「アルハラ」は家庭内だけでなく、社会や職場にも広がっています。2003年の全国調査によると、このような「アルハラ」を受けた成人は3000万人にも達しており、そのうち1400万人はその後の生き方や考え方に影響があったと回答しています〉※『飲酒と暴力』厚生労働省、e-ヘルスネット

〈場の盛り上がりや上下関係による心理的な飲酒の強要「アルハラ」がある場合が多く、注意が必要です〉※『イッキ飲みは死を招く』厚生労働省、アルコール関連問題啓発リーフレット

 とある。直近でも3月26日、福井県越前市役所の50代課長が2021年から2023年にかけて部下に飲み会代を払わせる、体をつねるなどの行為を繰り返していたとして懲戒処分を受けた。また2月29日には神奈川県横須賀市役所の30代係長が飲み会の帰りに複数の女性職員に対して同意なく手を握る、体を触る、キスをするなどの行為を繰り返していたとして同じく懲戒処分を受けている。こうした行為が令和の世にも普通に存在する。

一気飲みが流行した時代

「公務員だけじゃないですよ、うちだってコンプライアンスとかうるさい金融機関なのにお酒にだけはゆるい。いろいろ訴えても土地柄、酒が飲めて当たり前という地域ですから、地域全体が『酒くらい飲め、男だろ』という感じです。言い方が悪いかもしれませんが、宴会のできなかったコロナ禍のほうがよかった」(前出の地方銀行員)

関連記事

トピックス

岡田結実
《女優・岡田結実(24)結婚発表》結婚相手は高身長の一般男性 変装なしの“ペアルックデート”で見せていた笑顔
NEWSポストセブン
ウッチャンナンチャンがMCを務める番組『チャンハウス』
【スクープ】フジテレビがウンナン&出川MCのバラエティー番組で小学生発言を“ねつ造演出”疑惑 フジは「発言意図を誤解して編集」と説明、謝罪 
女性セブン
同区在住で農業を営む古橋昭彦容疑者は現行犯逮捕された
《浜松高齢ドライバー事故》「昭坊はエースピッチャーで自治会長をやっていた」小学生の列に突っ込んだ古橋昭彦容疑者(78)の人柄【小学2年生の女児が死亡】
NEWSポストセブン
くら寿司
《ピンク色の破れたゴムを…》「くら寿司」が迷惑行為に声明「厳正な対応を行う予定」実行者は謝罪連絡入れるも…吐露していた“後悔の言葉”
NEWSポストセブン
中学時代の江口容疑者と、現場となった自宅
「ガチ恋だったのかな」女子高生死体遺棄の江口真先容疑者(21) 知人が語る“陰キャだった少年時代”「昔からゲーマー。国民的アニメのカードゲームにハマってた」【愛知・一宮市】
NEWSポストセブン
巨人戦で審判の判定に抗議する中日・星野仙一監督(1999年、時事通信フォト)
“ジャンパイア”疑惑で考えるマスの傲慢 「球界の盟主・巨人」をどこまで特別扱いするかは「人類社会に共通する普遍的テーマ」である【中日ドラゴンズに学ぶ人生の教訓】
NEWSポストセブン
すき家がネズミ混入を認め全店閉店へ(左・時事通信フォト、右・HPより 写真は当該の店舗ではありません)
【こんなに汚かったのか…】全店閉店中の「すき家」現役クルーが証言「ネズミ混入で売上4割減」 各店舗に“緊急告知”した内容
NEWSポストセブン
動物言語学者・鈴木俊貴氏(左)と小説家の川上弘美氏が動物言語について語り合う
【対談】『僕には鳥の言葉がわかる』著者・鈴木俊貴氏と自らの小説に“鳥の言葉”を登場させた川上弘美氏が語り合う「動物言語が切り拓く未来の可能性」
週刊ポスト
中居の女性トラブルで窮地に追いやられているフジテレビ(右・時事通信フォト)
X子さんフジ退社後に「ひと段落ついた感じかな」…調査報告書から見えた中居正広氏の態度《見舞金の贈与税を心配、メッセージを「見たら削除して」と要請》
NEWSポストセブン
ロコ・ソラーレが関東で初めてファンミーティングを開催(Instagramより)
《新メンバーの名前なし》ロコ・ソラーレ4人、初の関東ファンミーティング開催に自身も参加する代表理事・本橋麻里の「思惑」 チケットは5分で完売
NEWSポストセブン
中居氏による性暴力でフジテレビの企業体質も問われることになった(右・時事通信)
《先輩女性アナ・F氏に同情の声》「名誉回復してあげないと可哀想ではない?」アナウンス室部長として奔走“一管理職の職責を超える”心労も
NEWSポストセブン
大手寿司チェーン「くら寿司」で迷惑行為となる画像がXで拡散された(時事通信フォト)
《善悪わからんくなる》「くら寿司」で“避妊具が皿の戻し口に…”の迷惑行為、Xで拡散 くら寿司広報担当は「対応を検討中」
NEWSポストセブン