監督との密なコミュニケーションが着実な成長に

監督との密なコミュニケーションが着実な成長に

成功への答えは経験の中にある

 投球フォームの動作は繊細で、例えば腕の振りが悪いからといって、それだけ修正しても問題は解決しない。連動する下半身の動きが原因の場合もある。ではなぜ下半身を上手に動かせないのか……。そうやって原因を探るのが、和田流フォーム修正術だ。

「倉野投手コーチやキャッチャーの(甲斐)拓也の意見を聞きながら、たどり着いたのがオフに痛めた左ふくらはぎと左わき腹の古傷でした」

 どちらのケガも既に完治しているが、知らず知らずのうちに患部をかばう動きが癖になってしまっていた。その小さな歪みが、最終的な投球の段階で大きな狂いとなって表われた。

「原因を修正して再びフォームを築き上げていくだけ。トライアンドエラーしながらなので多少の時間がかかるでしょうけど、いつもの自分に戻してみせる。確信……とまではいかないにしても自信はあります」

 3月19日の阪神タイガース戦で、そのきっかけは掴めたのだという。

「単純なメカニックの問題なら、これまで経験してきた中に必ず答えがある。ファンの方には心配をかけているかもしれませんが、着実に結果を出していくと信じてほしい」

 現在のプロ野球界は最新機器の導入により、急速なデータ化が進んでいる。和田はその技術を取り込むことで、40歳を過ぎてなお最先端を歩み続けている。

「データはあくまでも自分の投球スタイルを掴むために利用しています。進化していく野球に抗うのではなく、その最先端に合わせて自分自身もレベルアップしていく。そういう気持ちです」

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