ファンクラブ立ち上げも
このタイミングで、ブライトンの日本公式ファンクラブ『東京シーガルス』が、2024年3月に立ち上がったことはご存じだろうか。
同ファンクラブは“日本のブライトンファンたちを結びつけ、オープンで熱狂的なコミュニティを作ること”を目的として、メルマガ登録を開始。月に1回の定期的なメルマガとイベントやファン特典における最新情報がある場合、メールでお知らせなどが届くことになっているという。
プレミアリーグに所属するブライトンというクラブチームを日本で広めるために立ち上げられたものだが、その理由としては、もちろん日本人選手である三苫薫が在籍していることが一番のポイントになっていることは言うまでもない。
しかし、日本公式ブライトンのX(旧・Twitter)から、その情報がリリースされたときの画像は、三苫ではなくフリオ・エンシソという20歳のパラグアイ代表選手。すかさず、『そこは三苫選手じゃないの?』、『移籍フラグか?』など、SNSに疑問のコメントが相次いだ。
そのような経緯があり、すぐに開設を祝して三苫から『ぜひ入会して特権を得てください』というメッセージがXに掲載されたが、懸命にカンペを読む姿に、『カンペ読むのが可愛すぎ』、『カンペ丸読み』、『三苫推しがメインターゲットのお知らせで、いつも以上にカンペ読んでいるカオルちゃん草』などのコメントが溢れており、本人もコメントを読むときに初めて日本で公式ファンクラブができることを知ったかのような雰囲気だった。
プロジェクトを進める最中、キーマンとなるであろう三苫本人が長期離脱。そして今夏には、マンチェスター・シティやマンチェスター・ユナイテッドといったプレミアリーグの強豪クラブが獲得に乗り出すと海外では報じられており、ブライトンのユニフォームに袖を通さないまま、チームを去る可能性も浮上している。
これらの不運なタイミングが重なり、『東京シーガルス』のXでのフォロワー数も3000人弱と伸び悩んでいる。クラブ側としては、三苫の引き抜き阻止のため、現在結んでいる契約を2027年6月末まで延長することを昨年10月に発表したばかり。彼をクラブにとどめておきたいところだが、移籍金100億円程度が支払われれば、放出を容認するともいわれている。
三苫の活躍により、多くの日本人ファンを獲得したブライトン。ファンを維持し、さらなる獲得を目指すためには日本人選手の加入が必須。彼が移籍した場合に備えて、既に“Next Mitoma”を日本で探しているかもしれない。
【プロフィール】安藤ヒロ(あんどう・ひろ)/スポーツ週刊誌・月刊誌を経て、現在ライターとして活動。野球、サッカー、ゴルフに加えてスポーツ全般を精力的に取材している。