写真家が見たイエローキャブ軍団
そんな彼女たちにカメラを向け、“イエローキャブ”ブームに伴走したのが写真家の野村誠一氏。野村氏はイエローキャブ軍団についてこう話す。
「イエローキャブとの最初の付き合いは、(堀江)しのぶちゃんからです。グアムでロケをしたんですけど、最初の撮影から『この子はヒットするな』という手応えが伝わってきました。巨乳がブームでもなかった当時、可愛くてとても新鮮でしたね。
“イエローキャブ軍団”なんて言われていたけど、よくあれだけのスタイルとポテンシャルの子たちを揃えられたな、と今でも感心しますね。多くが女優やタレントとして大成しているし、それは野田さんの“目利き”の力だと思います。しかも自分の立ち位置や何を求められているのか把握している頭のいい子が揃っていました。時代の流れや芸能界の空気に左右されず、柔らかい雰囲気を持つ子が多かったんです。
野田さんは別会社へと移りましたが、僕の中では今も『野田さんがいる場所がイエローキャブ』です。イエローキャブをずっと見てきたからか、野田さんからは昔からずっと『お父さん』と呼ばれています。野田さんのほうが5歳も上なのに、それだけは今もおかしいと思っています(笑)」
【プロフィール】
細川ふみえ(ほそかわ・ふみえ)/1971年生まれ。1990年、講談社『ミスマガジン』グランプリを獲得し芸能界デビュー。「ふーみん」の愛称でグラビアを皮切りにバラエティ番組や、CMなど多方面で活躍。
山咲千里(やまざき・せんり)/1962年生まれ。京都府出身。1979年にNHK『鮎のうた』で女優デビュー。1990年代にボンデージファッションに傾倒し、清純派からセクシー路線の写真集を出版。ほかモデル・美容家、DJとしても活動。
堀江しのぶ(ほりえ・しのぶ)/1965年生まれ、愛知県出身。1983年クラリオンガールコンテストで平凡パンチ・アイドル賞を受賞し、のちにイエローキャブに所属。一躍人気アイドルとなり、巨乳ブームの先駆けとなった。1988年逝去。
野田義治/1946年生まれ。いしだあゆみらのマネージャーを経て、イエローキャブを設立。現在はサンズエンタテインメントのプロデューサー。
野村誠一/1951年生まれ。写真家。著名なアイドルや女優を撮影し、これまで400冊以上の写真集を手がける。ポートレート撮影の第一人者。
取材・文/松本祐貴
※週刊ポスト2024年5月3・10日号