被害者は足を骨折していた
内田被告は逮捕後に〈やられる前にやった〉と供述し、大川さんから金銭を要求されるなどのトラブルがあったことを示唆する報道も出た。A氏はこれに憤る。
「内田の金の面倒を見ていたのは大川のほうなんです。内田は運転が上手じゃないから、車を年中ぶつけてたんですよ。その修理代を何度も、大川が出していた。それだけじゃなくて、内田はお金がなくなると大川をはじめ、いろんな人のところに行って金を借りるんです。それも全部含めたら結構な額になると思う」
事件当日も、内田被告が大川さんに「やられる」可能性はなかった。
「大川はあのとき足を骨折していました。やっとギプスが取れたばかりで、走ることも難しかったんです。それをあんなに何度も刺して……後ろから刺された傷があるんで、不意打ちだったんじゃないか」
そして事件を起こしてから出頭するまでの内田被告の移動について、こう疑問を呈した。
「当時、内田は車を持ってなかった。川口の自宅から三郷の会社まで、自転車や電車で通ってました。なのに事件の日は、現場最寄りの吉川署ではなく、すぐに父親と川口署に出頭している。どうやって移動したのか。あれだけ刺したら返り血を浴びているはずで、公共交通機関はとても使えない。当日だけ父親の車を借りたのかどうか。出頭時に付き添っていた父親はどのタイミングで犯行を知ったのか……」
内田被告の自宅を尋ねると、父親が玄関ドアから出てきたが、事件について問うと「そういうの一切受けてないんで」とノーコメントだった。