政策の意外な舞台裏も見えてくる。
この4月から、サラリーマンが社外の人と飲食した時に損金不算入(非課税)となる交際費が従来の1人当たり5000円以下から「1万円以下」へと2018年ぶりに引き上げられた。喜んだ“社用族”も多いだろう。政府は「物価上昇のため」と説明しているが、文書からは、サラリーマンのためではなく、自民党の支持団体である全国商工会連合会などが売り上げを増やそうと強く働きかけたことで実現したことがわかる。
庶民には無縁なものも目立つ。経団連や日本暗号資産ビジネス協会は、企業が保有する「暗号資産」の税制見直し(優遇)を求めて実現した。
経済ジャーナリストの荻原博子氏が指摘する。
「本来、政治は国民の生活を豊かにするものでしょう。しかし、この資料からは、自民党は国民に負担増を押しつけているのに、パーティー券を買ってくれたり、選挙を手伝ってくれる業界や団体には補助金や税の優遇で細かくサービスしていることがわかる。国民から召し上げたカネを業界にせっせと配っているのが自民党政治の実態なんです」
(後編に続く)
※週刊ポスト2024年5月17・24日号