構成作家、ディレクター、ADら20名が審査
──ベスト32以降はお客さんの審査になるので、審査方法は単純明快ですが、最初の選考会だけは密室と言いますか、見えにくいところがあります。実際、どのような審査方法で32組に絞っているのでしょうか。
日置:まず選考会会場では、構成作家、ディレクター、ADの人たちに予備得点というものを付けてもらっています。点数は10点満点で、おもしろかったら6点以上、この組はベスト32に残って欲しいと思ったら7点以上ぐらいの感じでつけてみてください、とお願いしています。それを集計して、平均点を出します。そして、ホワイトボードにその日の1位から最下位までを並べる。一定以上の点数には色がついていて、その組は「ポットA」、つまり当確組だね、という風に見るんです。そうやって、ざっとわけてから構成作家、ディレクター、ADで、全部の動画を観るんです。総勢20人ぐらいでしょうか。全員が全部の選考会を観ているわけではないので。
石川:その会議は東京で3日間選考会をやったあとに1回、大阪で二日間選考会をやったあとに1回やりました。僕は公平にジャッジされているかどうかを見ているのでほとんど意見は言わないんですけど、僕以外は男女関係なくみんながきちんと自分の意見を言っている。若いADもきちんと自分が付けた点数の理由を説明しています。そこは、とても健全だなと思いました。なので、神に誓って言いますけど、去年も今年も極めて厳しくかつフェアに選考された32組です。
日置:32組の当落線上にいる組に関しては、この5組だけもう1回観ようかみたいな感じで納得いくまで何度も観ます。あと、AとBという2組のコンビを比較するとして、ある人がAには8点を付けていて、Bには5点しかつけていなかったとしたら、その理由を聞いた上で、じゃあ、もう1回、観てみようか、とか……。とにかく、とことんディスカッションして、何度も見返すんです。
──いっそのこと選考会の審査もお客さんに任せようとは思わなかったのですか?
日置:いや、そこまではさすがに思いませんでしたね。32組を選ぶところまではTHE SECONDをつくっているスタッフの責務だと思っているんです。だから、32組が決まったところで、もう一度、確認するんです。「この32組の中から最終的にグランプリファイナルに進出できる8組が選ばれることになるわけだけど、どの組が選ばれようとも100%、支持できるね?」って。32組から先は、もう僕らは何もできないので。だから、大げさな言い方になってしまいますけど、ベスト32を選ぶところまではわれわれは命がけでやらなきゃダメだと思っているんです。
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