「ドライブ・デート」
雅子さまがカローラIIを購入されたのは、外務省入省後、英オックスフォード大学への留学から帰国された後の1990年だ。価格は当時約140万円だった。
「外務省の駐車場でカローラIIから降り、ベージュのトレンチコートの裾をなびかせながらオフィスへ入っていく雅子さまは、当時はまだ少なかったキャリアウーマンを絵に描いたようなお姿でした」(ベテラン皇室関係者)
車内には、バッハ、ショパンなどのクラシック音楽をおさめたカセットテープがいくつも積まれていたという。その“相棒”は、雅子さまとともに皇室入りし、これまでの日々を見守ってきた。
「ご成婚にあたり、雅子さまはご実家から愛用の机やいす、ドレッサー、姿見、スキー板、絵画などを嫁入り道具としてお持ちになりました。そのうちの1つがカローラIIでした。ご成婚が決まったとき、カローラIIの売り上げは雅子さま効果で45%アップしたといわれています」(前出・ベテラン皇室関係者)
背景には、陛下から「雅子さんのお乗りになっている車をお持ちください」というお言葉があったという。
「雅子さまは外交官としてのキャリアに途中で区切りをつけ、皇室入りされました。身の回りの品々など、できるだけ結婚前と変わらないようにという陛下のご配慮だったのでしょう。もしかしたら、運転免許を取得されていない陛下が“ドライブ・デート”を期待されるお気持ちもあったのかもしれません」(前出・ベテラン皇室関係者)
実際、皇太子妃時代には、赤坂御用地内のテニスコートや、旧東宮御所の建設時に工事の進行具合を見に行かれるときに、陛下を助手席に乗せ、雅子さま自ら運転されたという。
「通勤のために首都高を利用されていたほどですから、雅子さまの運転の腕は確かです。ただ、ご結婚直後には御用地内という慣れない場所での運転に緊張もされたのでしょう。未舗装の道路で路肩に乗り上げ、皇宮護衛官に“救出”されたこともあったそうです」(前出・ベテラン皇室関係者)