かにの卵ではなく卵黄が使用されていた

実際には蟹の卵ではなく、鶏の卵が使用されていた

 脱税事件後、悔い改めたかに思われたが、『生香園』の調理場では驚きの光景が広がっていたという。元従業員のAさんが語る。

「調理場は数名の日本人と中国人で回していて、他の店で働いた経験者は少なく、『生香園』“生え抜き”の料理人がほとんどでした。私が働きだしたときに驚いたのが、料理人たちの行動でした。注文の入ったメニューとは別の食材を使って黙々と料理をしていたのです。思わず『何をやってるんですか?』と尋ねたら、古株の料理人は『ウチはこれでやってきてるから』と言っていたので、自分が働く前から偽装は横行していたんだと思います。富輝社長は従業員を怒鳴り散らすこともあり、ワンマン経営だったので誰も逆らえず文句も言えない状況でした」

驚愕の「偽装」実態

 実際に厨房で偽装が行われていた料理について、Aさんが詳細をこう証言した。

「偽装している代表的なメニューに『ふかのひれ、かにの玉子入りスープ』があります。中盆4830円(小盆3580円)と高額ですが、実際には蟹の卵は使用していませんでした。上海蟹の卵は赤みがかった独特の色合いがあるので、鶏の卵黄に食紅を混ぜて蟹の卵のように見せかけて調理し、提供しているのです。

“色粉”と呼んでいる食紅8グラムを400ccのお湯で薄めます。ただ加減が難しく、スープを沸かした状態で入れると分離してしまうので、1度火を止めるなどの工夫が必要です。色が赤く鮮やかに仕上がり過ぎると、富輝社長から『バレるからやり直せ!』と指摘されることもありました」

 Aさんが厨房で撮影した動画には、『かにの玉子入りスープ』の注文を受けた料理人が慣れた手つきで鶏の卵黄に液状の食紅を数滴加える様子が映っていた。偽装されているメニューはこれだけではない。『うづら挽肉の炒め、レタス添え』中盆2750円(小盆1880円)もそのひとつだ。(「づ」は、メニュー上の表記を使用)

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