ライフ

「“早期発見”は検査でしか手に入らない」オバ記者が改めて思う“婦人科検診のススメ”

オバ記者

大きな手術を経験したオバ記者が、婦人科検診の重要性を綴る

 がん治療において重要なのは早期発見。そのためには検査が必要となる。『女性セブン』の名物ライター“オバ記者”こと野原広子が、婦人科検診の重要性について綴る。

 * * *
「わかる〜。だよね〜」と、ニュース記事を読みながら、スマホ画面を指でなでていた私。

 歌手の藤あや子さん(62才)が5月7日、X(旧ツイッター)などのSNSで、初期の子宮体がんで子宮と卵巣の手術を受けたことを公表したのよね。4月に受診した人間ドックで異常が見つかって、再検査をしたら、初期の子宮体がんとのこと。

 私が「わかる〜」と思ったのは、告知されたときの「正直実感が湧きませんでした」という藤さんの心境だ。そして、「これからまだまだ歌い続けていく為にもしっかりと治療して頂こうと気持ちを切り替えました」と、手術に臨んだこと。その気持ちが、一昨年の8月に同様の体験をしている私には手に取るようにわかるのよ。

 ていうのも、大きな病院での“宣告”はいきなりされるわけではないんだよね。もちろん医師の性格や患者の病状によって違うけれど、私の場合は、検査結果が出るたびに医師の発言が変わっていって、「おそらくがんではないと思いますけど」が「悪性腫瘍の可能性は五分五分か、四分六分」になり、主治医から「だとしても、初期も初期ですから」とつけ加えられた。

 その挙げ句、「初期の卵巣がんの可能性が極めて高い」という、前言をひっくり返すような最終宣告。「正確には手術をしてみないとわかりませんが」と添えられた言葉なんか耳に残らないって。「ちょっとぉ、いま、なんて言ったよ。がんって言ったよね? がん、がん」と頭の中で鳴り響く。けど、実感がない。

「卵巣がん」という言葉が胸に落ちてこないのよ。そのときの女医の目の動きや、私自身の体のこわばりは約2年経ったいまも鮮明に覚えている。

 私の場合、6時間に及ぶ子宮と卵巣の全摘手術の結果、「境界悪性腫瘍」という病名をいただいて、それから半年ごとに検査をしている。さらに手術の1年後には、膵臓に6mmの影があると告げられた。このときばかりは「す、膵臓に影?」と声がひっくり返ったもんね。というのも、その数か月前に、末期の膵臓がんと診断された幼なじみのF子(享年65)を見送っていたからよ。

 いまのところ、がんではなくて「膵嚢胞」という診断だけど、影が大きくなるとがんになることもあるというから、こちらも検査を半年に一度するのだそうな。

 で、実は今日、朝9時から膵臓に焦点を当てたMRI検査の日だったんだよね。丸い筒の中に入って、バンバンとやかましい音の中で息を吸ったり止めたり。痛くも痒くもないけど、半年前に見せられたタラコのような形の膵臓についたシミがどう映っているのかと思うと気が気じゃない。

 検査は10分くらいで終わったけれど、検査室から出たときに、深刻そうにパソコンに向かう若い技師の顔が見えた。あの画像は間違いなく朝イチで受けた私のもの。てことは? あの顔は? ああ、もぅ、こういうことがくたびれるのよ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

大谷翔平
【大谷翔平“グラウンド外での伝説”】羽生結弦とはLINE友達、パリピ体質で嫌いなタイプは“テンションが低いやつ”、「17番のロッカー」に直筆サインで一騒動 
女性セブン
『おしゃれクリップ』(日本テレビ系)
《放送50周年で歴代MC集結》『おしゃれ』シリーズが昭和から令和まで愛され続ける理由 
NEWSポストセブン
3度目の逮捕となった羽賀研二
《芸能人とヤクザの黒い交際》「沖縄のドン」から追放された羽賀研二容疑者と弘道会幹部の20年の蜜月 「幹部から4億円を借りていた」
NEWSポストセブン
寄木細工のイヤリングと髪留めが「佳子さま売れ」に(時事通信フォト)
佳子さまのイヤリングが「おしゃれ!」でまたも注文殺到 訪問先の特産品着用され想起される美智子さまの心配り
NEWSポストセブン
ホームランを放ち50-50を達成した大谷翔平(写真/AP/AFLO)
大谷翔平の“胃袋伝説”「高校時代のノルマは“ご飯どんぶり13杯”」「ラーメン店でラーメン食べず」「WBCでは“ゆでたまご16個”」 
女性セブン
自民党の新総裁選に選出された石破茂氏(Xより)
《石破茂首相が爆誕へ》苦しい下積み時代にアイドルから学んだこと「自分の意見に興味を持ってもらえるきっかけになる」
NEWSポストセブン
内村光良のデビュー当時を知る共演者が振り返る
【『内村プロデュース』が19年ぶり復活】内村光良の「静かな革命」 デビュー当時を知る共演者が明かしたコント王の原点
週刊ポスト
歌手・タレントの堀ちえみ(左)と俳優の風間杜夫(右)
【対談・風間杜夫×堀ちえみ】人気絶頂期に撮影された名作『スチュワーデス物語』の裏側「相手が16才の女の子だろうと気を抜けないと思った」 
女性セブン
若林豪さんにインタビュー
『旅サラダ』卒業の神田正輝が盟友・若林豪に明かしていた「体調」「パートナー女性」「沙也加さんへの想い」《サスペンスドラマ『赤い霊柩車』で共演30年》
NEWSポストセブン
石破茂氏の美人妻(撮影/浅野剛)
《新総裁》石破茂氏が一目惚れした美人妻が語っていた「夫婦のなれ初め」最初のプロポーズは断った
NEWSポストセブン
3年前に出所したばかりだった
《呼び名はチビちゃん》羽賀研二とそろって逮捕された16歳年下元妻の正体、メロメロで交際0日婚「会えていません」の嘘
NEWSポストセブン
《豪雨による東京の地下鉄への被害をシミュレーション》荒川決壊で危惧される都営大江戸線の「全駅水没」、銀座や丸の内では「噴出洪水」も
《豪雨による東京の地下鉄への被害をシミュレーション》荒川決壊で危惧される都営大江戸線の「全駅水没」、銀座や丸の内では「噴出洪水」も
マネーポストWEB