日本人のがん罹患数の1位は大腸がん。がん死亡数では肺に次ぐ2位と、他人事ではない恐ろしい病だ。その大腸がんと闘っているのが、1980年代に大ヒットを連発した「ラッツ&スター(シャネルズ)」でトランペットを吹いていた“くわまん”こと桑野信義さん(66)。桑野さんの闘病の報に接し、ショックを受けたファンは多い。術後の後遺症、今後の音楽活動などについても聞いた。【前後編の後編。前編を読む】
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排泄障害は今も続いています。退院当時より改善しヒリヒリは無くなりましたが、日常生活がままならない。1日に何回か“トイレラッシュ”がくるんです。1回の“トイレラッシュ”で10回ほどトイレにいきます。それがいつくるかは、わからない。だから、外出時は大変です。食事でコントロールするしかないので、大事な仕事があるときは、前日から何も食べません。摂るのは水分だけです。
小食にもなりました。それでも、夜中に熟睡している最中に漏らしてしまうことがあり、おむつは1日中欠かせません。これが一生続くのか、あと少しの我慢なのか、それは医者にもわからないそうです。僕は諦めました。医者に「一生続くと覚悟しました」と伝えたら、「ありがとうございます」だって(笑)。
この2月には、日本ストーマ・排泄リハビリテーション学会総会に呼ばれ、横浜で大学教授と一緒に講演をしました。経験者の話が聞きたかったみたいです。看護師さんが「笑いもあって、堅苦しくなくて良かったです。こんな講演は初めてです」と言ってくれました。オレの経験が役に立つなら、これからも隠さず話していきたいと思っています。