自身の闘病記録を綴ったノート（桑野さん提供）
「これまでのやり方ではステージがもたない」
ウォーキングを続け体力も少しずつついて、体重も一番落ちたときから7キロ増えて、65キロになりました。体力がついたおかげで、音楽活動もやれていますよ。最近は企業さんのパーティーに呼ばれることが多いですね。30～40分のショーを楽しんでいただいています。トークして歌って、ラッパ（トランペット）吹いて、ホラ吹いて……（笑）。
ラッパの奏法や歌い方は変わりました。以前は力強く歌って、ラッパも強く吹くタイプだったんです。でも、耐久力がなくなり、これまでのやり方ではステージがもたない。工夫しているうちに、ラッパは強く吹かなくてもいい音が出るようになり、声は自分でもびっくりするぐらい高いファルセットが出るようになりました。それで、杏里さんやプリンセス プリンセスさん、MISIAさんとか女性の曲を歌ったりもします。幅が広がったと思いますね。
ライブもやっていますよ。6人で「KUWA☆MAN with SOUL BROTHERS」っていう、昔からの夢だったジャズ・ファンクのバンドを去年、作りました。「バンドやろうよ」と話していたところへ、9月のジャズフェスティバルのオファーをいただいて、初ライブが実現しました。この前のバレンタインデーに2回目を。メンバーはみんなベテランの売れっ子だから頻繁には集まれないけど、ずっとやりたかったことだから、これからもやっていきますよ。ラッパが吹けるうちに、少しでも足跡を残したいと思っています。
来年は「ラッツ＆スター」45周年。何としても、それまで健康を保って何かしらやりたい。まだまだ生きることを楽しみたいですね！
（了。前編から読む）
◆取材・文／中野裕子 撮影／山口比佐夫
