「心から、どうもありがとうございました」──震える声で感謝の言葉を述べる手越祐也(36才)の頬に、大粒の涙が伝った。会場のあちこちからすすり泣きの声が漏れる。オーケストラが奏でる荘厳な響きの中でスタンディングオベーションが起こり、コンサートは感動的なフィナーレを迎えた。
5月11日、京都で『手越祐也 シンフォニックコンサート2024』が開催され、タキシードに身を包んだ手越がNEWS時代のソロ楽曲を含む自身のヒット曲約20曲を披露した。演奏を手掛けた『グランドフィルハーモニック東京』は坂本龍一さんや大貫妙子とも共演歴がある由緒ある楽団。手越とは昨年5月に行われた第1回公演以来3度目の共演で、東京公演に続きチケットがソールドアウトする盛況ぶりだったという。手越本人が語る。
「オーケストラとの共演は、普段のライブとは違ってかかわる人の数が多く、ボーカルに求められることも多いので難しい挑戦だといわれます。それでも、ぼくにとっては長年実現したかった夢のひとつ。楽しく気持ちよく歌えたし、1年のうちに3回も公演ができたことはすごいことだと思います。最高の演奏をしてくれたオーケストラの皆さんや支えてくれたスタッフ、ファンのかたたちには感謝しかありません」
涙の理由を尋ねると、「オーケストラの熱量のこもった演奏に心が動いたのかもしれません。いままでの道のりが走馬灯のように脳裏に浮かび、自然と感情がこみ上げてきた感じでした」と振り返った。
人気グループ「NEWS」のメンバーだった手越が旧ジャニーズ事務所を退所したのは2020年6月。都内で開いた記者会見はYouTubeで生配信され、当時の最高記録である同時接続数133万人を記録した。
「ぼくが独立する道を選んだいちばんの理由は自由になること。好きなメンバーと好きなタイミングで自分がやりたいことをやるための環境を整えることが目的でした。ところが、いざやってみると思った以上に大変な道のりでした」