歌手で厚生労働省・肝炎対策特別大使を務める伍代夏子は5月14日、広島県を訪れた。広島県は75才未満の肝がん死亡率が全国ワースト3位(2022年)と高く、厚労省「知って、肝炎プロジェクト」で本年度の積極的広報地域に選定。伍代は広島県庁と広島大学病院へ足を運んで、肝炎ウイルス検査の早期受診を訴える啓発活動を行った。
広島県庁では湯崎英彦知事を表敬訪問。「『知って、肝炎プロジェクト』の名の通り、肝炎とはどういう病気なのか、もしもなってしまったらどうすればいいのか――そうした情報を発信・啓発しています。肝炎を知ってもらい、国民の皆さん全員に肝炎ウイルス検査を受けてほしい。そのために、広島の皆さんにご協力いただきたいと思っております」と、挨拶した。
伍代の言葉を受け、湯崎知事は「ウイルス性肝炎が多い特異県として、肝炎の普及活動にお力添えいただけるということは非常に心強い」として、県の肝炎対策について語った。
広島県は75才未満の肝がん死亡率こそ高いが、実は全国平均を上回る速度でその死亡率が減少してもいる。湯崎知事は「肝炎対策のフロントランナーの意識を持って積極的に取り組んできた」と、明かす。
広島県では1992年から全国に先駆けていち早く、住民健診にC型肝炎ウイルス検査を取り入れ、肝炎の早期発見と早期治療に尽力してきた。また、県内のどこに住んでいても肝炎(ウイルス性肝炎から進行した肝硬変や肝がんを含む)の適切な治療を安心して受けられる「肝疾患診療支援ネットワーク」も整っている。 肝炎対策推進にあたっては県と専門家らの強固な連携が築かれ、この日も広島大学や広島大学病院から関係者が同席した。
そのひとり、広島大学理事・副学長の田中純子教授は昨年、肝炎撲滅に貢献した世界の7人の1人として「Elimination Champions」賞を受賞した、疫学研究におけるエキスパート。伍代とも「知って、肝炎プロジェクト」発足時から面識を持つ。