ペットボトルが劣化すると、中身の飲料にマイクロプラスチックが混入する(写真/PIXTA)

ペットボトルが劣化すると、中身の飲料にマイクロプラスチックが混入する(写真/PIXTA)

「ペットボトルのプラスチックが劣化すると、中身の飲料にマイクロプラスチックが混入します。500mlのペットボトル1本あたり50個ほど入っており、もっと小さなナノプラスチック(直径1マイクロメートル未満)まで含めると120万個が混入しているとの報告もあるほどです。

 また、プラスチック製の食品保存容器を電子レンジにかけると、熱によってプラスチックが溶け出し1平方cmから420万個のマイクロプラスチックが放出されるとの報告もあります」

 1日に摂取する水が含有するマイクロプラスチックの量を調べるために、飲む水をペットボトルだけにした場合と、水道水だけにした場合を比較したカナダの研究では、ペットボトルの水には水道水の22倍ものマイクロプラスチックが含まれていたことが明らかになった。

 私たちがどれくらいのプラスチックを摂取しているのか試算した研究もある。

「2019年にオーストラリアのニューカッスル大学が発表した研究結果では、飲料水や魚介類などの食事経由で摂取するプラスチックは、1週間あたりの重量換算で5gに相当しました。これは、クレジットカード1枚分に相当します。また1日相当分に換算すると約0.7gで、ストロー1本分でした」(植田さん)

キャップに含まれる添加剤は乳がん細胞の異常増殖を誘引する

 プラスチックがもたらす脅威は決して「マイクロ」ではない。お皿の上の魚から、電子レンジで温めたコンビニ弁当から、ペットボトルのお茶から──あらゆるルートで体内に入り込んだマイクロプラスチックは、少しずつ、しかし確実に体に負担をかけていく。

 今年2月、高田さんらの研究グループが発表した研究では、国内の検体11人中4人の血液からマイクロプラスチックを検出した。そのうち1人を詳しく調べると血液や腎臓、肝臓などから、プラスチックに含まれる「添加剤」の一種である紫外線吸収剤が見つかった。

「これは国内初の事例です。プラスチックには、紫外線による劣化を防ぐための紫外線吸収剤や、素材を柔らかくするための可塑剤など、さまざまな化学物質が含まれており、それらは総称して『添加剤』と呼ばれています。

 添加剤の中には人体に入るとホルモンの作用を攪乱し、性や生殖、甲状腺機能、脳神経などに関する異常を引き起こすような物質もある。例えば、ペットボトルのキャップなどに含まれる『ノニルフェノール』という添加剤はアメリカの研究者の実験で、乳がん細胞の異常増殖を誘引することがわかっています」(高田さん・以下同)

関連記事

トピックス

連ドラの主演を2クール連続で務める松本若菜
【まさに“代打の女神さま”】松本若菜、“別の女優が急きょ降板”で10月ドラマで2クール連続主演 『西園寺さん』も企画段階では違う大物女優が主演の予定だった
女性セブン
史上最速優勝を果たした大の里(時事通信フォト)
【角界の世代交代】史上最速優勝の大の里に包囲網 最大のライバルはたたき上げの平戸海、日体大の同級生だった阿武剋・旭海雄・石崎らにも注目
週刊ポスト
33年ぶりに唐沢寿明が鈴木保奈美と共演する
【地上波ドラマでは『愛という名のもとに』以来33年ぶり】唐沢寿明、2025年1月期で4年ぶり民放連ドラ主演、共演は鈴木保奈美 テレ朝は大きな期待
女性セブン
一時は通常の食事がとれないほどだったという(7月、岐阜市。時事通信フォト)
宮内庁の来年度予算概算要求「医療環境の整備等」が約1.5倍に増額 “大腸ビデオスコープ”への予算計上で再燃する紀子さまの胃腸への不安
女性セブン
事件現場となったアパート
《東大阪・中高生3人誘拐》「事件の夜、女の子の怒鳴り声が」咳止めの市販薬を80錠使用して急性薬物中毒に…逮捕された男のアパートで目撃された“黒髪の女子学生“
NEWSポストセブン
NHKの山内泉アナ
《極秘結婚していたNHK山内泉アナ》ギャップ感あふれるボーイッシュ私服は約9000円のオシャレブランド お相手は慶応同級生…大学時代から培った「ビビットな感性」
NEWSポストセブン
不同意わいせつ容疑で書類送検された山口晋衆院議員(Facebookより)
《不同意わいせつ容疑で書類送検》自民・山口晋議員、エレベーター内キス目撃した20代女性の母親に「ガス会社の社員」を名乗った理由
NEWSポストセブン
長澤まさみ
松本潤、野田秀樹氏の舞台で共演する長澤まさみを“別宅”に招いて打ち上げを開いた夜 私生活では距離があった2人がお互いを高め合う関係に
女性セブン
三田寛子がSNSに載せた初めてのツーショットの真相
《三田寛子の誕生日ツーショット》実は「バースデー当日の写真ではない」疑惑が浮上 中村芝翫は愛人と同棲する家へ直行していた
NEWSポストセブン
妻とみられる女性とともに買い物に出かけていた水原元通訳
《買い出しツーショット》水原一平被告が痩せてロン毛に…購入した「米とビール」にみる現状の生活
NEWSポストセブン
斎藤元彦知事。職場外でも“知事特権”疑惑が(時事通信)
【まるで独裁者】兵庫県・斎藤元彦知事「どこでも仕事すべき」と論じるSNS投稿に映しだされていた「真っ白なGoogleカレンダー」
NEWSポストセブン
再婚発表に賛否両論
東出昌大、再婚の裏側 親しい知人への報告は「発表の直前」 “山暮らしの後輩女優”の1人はSNSで「勝手」と意味深なメッセージ
女性セブン