行動をどう引き締めるのか
稽古相手の問題に加えて、いい意味で“重し”となってきた同窓の先輩たちが抜ける影響も小さくはなさそうだ。二所ノ関一門の関係者が言う。
「同じ部屋にいた友風、宮城、嘉陽など日体大の先輩力士、同大の大先輩である中村親方、そして中学・高校時代から1学年上にいた白熊や嘉陽といった日体大OBの存在は大の里にとって大きかったはず。場所中は毎晩のように夜食に3人で出掛けて腹と心を満たしている。大の里は彼らに見守られてのびのびとやりつつも、必要な抑制がはたらいていた。昨年9月に未成年の幕下以下の力士と飲酒したことで協会から厳重注意を受けたが、その未成年力士に対するイジメに加担したとも報じられた。先輩たちがいなくなった時に、どのような振る舞いを見せるのかは注目されるところ」
友風は今場所、東前頭16枚目で2勝13敗と大きく負け越し十両に転落し、白熊も東十両6枚目で負け越した。ただ、いずれは幕内に定着するとも考えられ、そうなると同じ部屋で稽古をした大学の先輩との対戦が組まれ。そのことも、大の里にとっては複雑な思いを生じさせるだろう。
今場所が大関昇進のための「三役で3場所33勝」の起点となるなら、最短で9月場所後の大関昇進となる。中村親方が日体大出身の内弟子たちを連れて独立するのも9月場所後とされるが、どう乗り越えていくか。大の里が真価を問われる戦いは続きそうだ。