死体遺棄現場。奥に規制線のテープが見える

死体遺棄現場。奥に規制線のテープが見える

「宅配便が来たと思って、父が外に出たところ、陰に隠れていた十枝内が手を出してきて、父は倒れこみました。すると、竹内が足を抑えて父を起き上がれないようにして、十枝内が体の上に馬乗りになって、何発か殴って……そのまま車に乗せられて連れて行かれたんです」

 その後、谷名さんは冒頭のように残酷な手法で殺害され、約3カ月を経て、変わり果てた姿となりAさんのもとへ帰ってきた。

「今思えば、自分の事を一番に思ってくれる父でした。僕がまだ幼い頃に離婚したんですが、裁判を何回もして僕の親権をとってくれました。それ以来、ずっと父と二人で生活してきました。父にはさんざん怒られましたけど、それは僕が悪いことをしたり、誰かに迷惑をかけた時でした。

 捜査は進んで殺人容疑で逮捕もされましたが、良かったとか解決したとはまったく思えません。どうなっても満足はできないですよ。まずは何が原因で父はこんな目にあって殺されなければならなかったのか知りたいです。どんな理由であれ、十枝内らを許すことは生涯できないと思いますが……」

 Aさんは時折言葉を詰まらせながら、声を絞り出すようにこう取材に応じた。

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