4月1日に青森県七戸町の深さ約6メートル土中から、プラスチック製の容器に詰め込まれたトラック運転手の谷名幸児さん(54)の遺体が見つかった事件。青森県警は3月以降、谷名さんの元勤務先の運送会社「十枝内運輸」の社長、十枝内伸一郎容疑者(47)を監禁、死体遺棄容疑などで逮捕。5月18日にはついに殺人容疑で再逮捕に踏み切り、稀に見る残酷な殺人事件の実態解明が進んでいる。
「殺人容疑で逮捕されたのは、十枝内容疑者のほか、いずれも事件当時に十枝内運輸の社員だった竹内洋容疑者(45)と原子豊容疑者(55)。十枝内、竹内両容疑者は死体遺棄容疑でも逮捕されています。さらに宅配業者を装い十枝内容疑者の友人だった会社員・町屋勝彦被告(52)、十枝内容疑者の親戚で飲食店従業員の市ノ渡歩美被告(38)が加害目的略取、監禁の罪で起訴されています」(地元紙・事件担当記者)
殺人容疑で逮捕されたのは、現在は閉業している十枝内運輸の社長と社員2人だった。社長と社員が殺人に手を染めた十枝内運輸は地元・七戸町では少し有名な会社だった。
「ダンプを使った土砂の運搬や、冬には海への排雪作業などを行っている会社でした。なぜだか入れ墨を入れている社員の人が多くてね。ちょっと怖い人が多くて近づきがたかったです」(近隣住民)
東北運輸局は2022年12月12日、運行記録計による記録義務違反、運転者に対する指導監督義務違反があったとして十枝内運輸に「文書警告」の行政処分を行っている。運行記録計は、長時間労働是正を目的に乗務時間などを管理するもので、従業員に違法な労働が課せられていた可能性もある。
十枝内運輸について取材を進めると、一連の事件で逮捕された元社員らの耳を疑うような話が舞い込んできた。