スポーツ

歴代指導者が語るダルビッシュ有「日米通算200勝」までの道程 中学時代から練習の目的を理解、大きく成長した日ハム時代の中継ぎ経験

若き日のダルビッシュ有を知る指導者たちからの証言(写真=USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

若き日のダルビッシュ有を知る指導者たちからの証言(写真=USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 2024年5月20日(日本時間)に日米通算200勝の歴史的快挙を成し遂げた、サンディエゴ・パドレスのダルビッシュ有(37)。若き日を知る指導者たちの証言から浮かび上がるのは、根っからの研究熱心でストイックなエースの姿だった。

「休んだことは一度もなかった」

 メジャーリーガー・ダルビッシュ有の原点は大阪・南河内にある。小学2年生で地元の『羽曳野ブラックイーグルス』で野球を始めた。

 イラン出身の父・ファルサさんはサッカー選手だったこともあり、息子にもサッカーをさせたがったが、ボールを蹴るより投げるほうに興味を持ったという。

 大きく成長したのは中学1年生から入った地元の強豪チーム『羽曳野ボーイズ』だった。山田朝生総監督が振り返る。

「入団当時は目立った存在ではなかった。体は大きかったが、野球がうまい子は他にたくさんいました。ただ歩くうしろ姿がよかった。バランスが取れた歩行姿勢を見て、いずれエースに育てたいとトレーニングをさせました」

 小さな平均台の上でテニスのラケットを振らせ、左右で投げさせた。ダッシュとランニングを徹底的にやらせた。練習嫌いと報じられているが、

「釣りが好きで友達と行きたいと言っていましたが、休んだことは一度もなかった。集中力が素晴らしく、練習の目的を理解していた数少ない選手でした」(山田総監督)

 2年生秋からエースになると、全国大会ベスト8、世界大会3位の成績を残した。

「姿勢がいいのでコントロールがよかった。スピードもあったが、試合中にどんどん修正できる子だった。ストレートを四隅に投げれば変化球になると教えていたが、隠れて変化球の練習をしていたようです。試合ではスライダーで三振を取っていたが、中学生で打てる球ではなかった」(山田総監督)

関連キーワード

関連記事

トピックス

自宅で亡くなっているのが見つかった中山美穂さん
《中山美穂さん死後4カ月》辻仁成が元妻の誕生日に投稿していた「38文字」の想い…最後の“ワイルド恋人”が今も背負う「彼女の名前」
NEWSポストセブン
工藤遥加(左)の初優勝を支えた父・公康氏(時事通信フォト)
女子ゴルフ・工藤遥加、15年目の初優勝を支えた父子鷹 「勝ち方を教えてほしい」と父・工藤公康に頭を下げて、指導を受けたことも
週刊ポスト
山口組分裂抗争が終結に向けて大きく動いた。写真は「山口組新報」最新号に掲載された司忍組長
「うっすら笑みを浮かべる司忍組長」山口組分裂抗争“終結宣言”の前に…六代目山口組が機関紙「創立110周年」をお祝いで大幅リニューアル「歴代組長をカラー写真に」「金ピカ装丁」の“狙い”
NEWSポストセブン
「衆参W(ダブル)選挙」後の政局を予測(石破茂・首相/時事通信フォト)
【政界再編シミュレーション】今夏衆参ダブル選挙なら「自公参院過半数割れ、衆院は190~200議席」 石破首相は退陣で、自民は「連立相手を選ぶための総裁選」へ
週刊ポスト
中居正広氏と報告書に記載のあったホテルの「間取り」
中居正広氏と「タレントU」が女性アナらと4人で過ごした“38万円スイートルーム”は「男女2人きりになりやすいチョイス」
NEWSポストセブン
Tarou「中学校行かない宣言」に関する親の思いとは(本人Xより)
《小学生ゲーム実況YouTuberの「中学校通わない宣言」》両親が明かす“子育ての方針”「配信やゲームで得られる失敗経験が重要」稼いだお金は「個人会社で運営」
NEWSポストセブン
『月曜から夜ふかし』不適切編集の余波も(マツコ・デラックス/時事通信フォト)
『月曜から夜ふかし』不適切編集の余波、バカリズム脚本ドラマ『ホットスポット』配信&DVDへの影響はあるのか 日本テレビは「様々なご意見を頂戴しています」と回答
週刊ポスト
大谷翔平が新型バットを握る日はあるのか(Getty Images)
「MLBを破壊する」新型“魚雷バット”で最も恩恵を受けるのは中距離バッター 大谷翔平は“超長尺バット”で独自路線を貫くかどうかの分かれ道
週刊ポスト
約6年ぶりに開催された宮中晩餐会に参加された愛子さま(時事通信)
《ティアラ着用せず》愛子さま、初めての宮中晩餐会を海外一部メディアが「物足りない初舞台」と指摘した理由
NEWSポストセブン
「フォートナイト」世界大会出場を目指すYouTuber・Tarou(本人Xより)
小学生ゲーム実況YouTuberの「中学校通わない宣言」に批判の声も…筑駒→東大出身の父親が考える「息子の将来設計」
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信)と妊娠中の真美子さん(大谷のInstagramより)
《妊娠中の真美子さんがスイートルーム室内で観戦》大谷翔平、特別な日に「奇跡のサヨナラHR」で感情爆発 妻のために用意していた「特別契約」の内容
NEWSポストセブン
沖縄・旭琉會の挨拶を受けた司忍組長
《雨に濡れた司忍組長》極秘外交に臨む六代目山口組 沖縄・旭琉會との会談で見せていた笑顔 分裂抗争は“風雲急を告げる”事態に
NEWSポストセブン