大阪では地盤ができてきたと語る(撮影/小倉雄一郎)

大阪では地盤ができてきたと語る(撮影/小倉雄一郎)

桂三度以外にも「テレビの人間にどんどん来て欲しい」

──後輩芸人から「僕も噺家になりたんですけど」みたいな相談を受けることもあるのですか。

方正:ないですね。桂三度(元・世界のナベアツ、2011年に落語家に転身)は僕のところに来ましたけどね。「僕も落語をやりたいんですけど、二番煎じみたいですいません。方正さんの邪魔にならないですかね」って。なので、そんな俺に気を遣わんでええよ、やりたいんやったら絶対やった方がええと言いましたけど。

──そうなんですね。もっと2人の後を追う芸人が出てきてもよさそうなものですけどね。やはり落語家は儲からないというイメージが強いのでしょうか。

方正:僕はどんどん来て欲しいんですよ。テレビの人間が。こう言ったら噺家の方々は怒るかもしらんけど、やっぱりテレビの人間は感覚が鋭いんで。どんどんこっちの世界に入ってきてもらって、落語の世界をぐちゃぐちゃにして欲しいんですよ。その方が活性化するので。そのためにも僕と三度がもっとがんばらなあかんのでしょうね。

──5月31日に「噺家生活15周年記念」の落語会が伝承ホール(渋谷)にて開催されます。東京での独演会は久々なのですか。

方正:久々ですね。大阪に拠点を移してからは初めてだと思います。

──伝承ホールはどれくらいのキャパなのですか?

方正:350席くらいです。今回は大阪での会はすでに終えていて、あと東京と、名古屋の会が残っているのですが、東京がいちばんチケットが売れませんね……。大阪はようやく落語家として認めてくれるようになってきた感じがあるのですが、東京はまだ『ガキ使(ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!)』の方正に落語ができるのかよ、という見られ方なのだと思います。

──15年やっても?

方正:噺家の世界では15年なんて、ぜんぜんですよ。大阪はやっと地盤ができてきので、これからは東京です。やらんとダメです、東京でも。方正の第二次東京進出です!

(全3回の第3回。第1回から読む

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