任期満了に伴う東京都知事選(6月20日告示、7月7日投開票)へ向けて、東京都内52首長が小池百合子都知事に出馬要請をするなど、小池氏の3選が有力だと言われている。そんな情勢のなか、もっとも強力な対抗勢力と見られる立憲民主党の蓮舫参議院議員が都知事選への出馬を表明した。臨床心理士・経営心理コンサルタントの岡村美奈さんが、ネットでも生中継された蓮舫氏の出馬表明記者会見について分析する。
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にわかに面白くなりそうな予感がする東京都知事選。立憲民主党の蓮舫参院議員が5月27日、立候補を表明した。4月に行われた衆議院東京15区補欠選挙、5月26日が投開票日だった静岡県知事選と東京都議会議員の目黒区の補欠選挙はいずれも立憲民主党が推薦もしくは同党の元都議だった候補が当選。風は自分たちに吹いている、今なら勝てると踏んでの立候補だろう。
立憲民主党本部の会場に、白いハイヒールの音を響かせながら颯爽と入ってきた蓮舫氏。大股で演台へ近づき、マイクの前に立つときつく結んでいた口元を少し緩めて笑顔を見せた。「私、蓮舫はこの夏予定されている東京都知事選に立候補します」と声は明るい。国会で岸田文雄首相相手に質問する時とは声音が違う。岸田政権の面々と対峙する時は声が高くまくしたてるような口調だが、この日は語尾になるほど声が細く軽くて柔らかい。
彼女の話し方にはパターンがある。必ずといっていいほど、まず相手を肯定し褒めることから始めるのだ。今回もその手法が何度も使われた。「8年前、自民党の国会議員でありながら、都議会自民党を伏魔殿とか、都庁のブラックボックスを壊すと言って都知事に立候補した小池さん。私からみても、まぶしくてかっこよかったです」。
ところが褒めておきながら、そこに疑問を投げかける。「でも、この8年間の彼女の功績、実績はどうでしょうか。7つのゼロ公約、どこいったんでしょうか」。相手を持ち上げておいて、そこから一気に落とすのだ。そして自分の言い分を展開させていく。
民主党政権で彼女が行政刷新担当大臣だった2010年10月、事業仕分けで真っ向から対決した小泉進次郎議員にもこの手法が使われた。改革への本気度を見せろと迫った小泉議員に対し蓮舫氏は、この時「小泉さんが人気があるのが非常にわかる、的確な質問をいただいております。ただ1つだけ、人を指さすのはやめた方がいい」と言って、持論を述べていった。