2004年7月、第20回参議院選挙で東京選挙区から立候補した蓮舫さんの街頭演説(時事通信フォト)
心理学のある研究によると、「褒めてからけなす」というやり方は、「最初から最後までけなす」、「最初から最後までほめる」や「けなしてから褒める」より、相手からの印象を最も悪くするという。情報の変化によって印象形成に影響を与えるのだ。
敵対する相手に使えば効果的なこの手法、「(小池氏は)自分を見せることは大変お上手だ」と褒めておいて「でも」と小池都政の8年で都庁をどう変えたのかと疑問を投げる。「発信力、存在感、選挙の強さ、どれをとっても圧巻している人だ。大きい人だと思う」と述べた時は、「ただこうした変わり身の早さについていけない」と、伏魔殿といいながら公約よりも自民党との関係を優先させた矛盾を問う。有権者には褒めてけなすことで論点が見えやすく、比較がしやすく、理論的に説明されるよりも耳に入りやすい。
小池都知事の変わり身の早さを批判した蓮舫氏は、自らを「私は一貫している」と述べた。政治的な信条についてのものだが、彼女が一貫しているのはこれだけではない。トレードマークの白の勝負服だ。この日も服装は白いジャケットに白いひざ丈のスカート、黒のインナー。それも真っ白いジャケットだ。デザインの違う物がいくつもあるのだろうが、昔から同じようなものを着ている印象しかない。ヘアスタイルもショートカットで、よく言えば一貫しているが、悪く言えば変わり映えせず時代遅れでやぼったい。
若い頃はそれがよく似合っていた蓮舫氏。白いジャケットとショートカットはものおじせず切り込んでいく彼女の個性を引き立てていた。だが彼女が今の定番スタイルになってすでに十数年。時代が変わり、ファッションやメイクの流行が変わっても蓮舫氏は変わらない。年齢に応じて体型も外見も変わっているのに彼女は昔のまま。時代に取り残されているのに、変化に抗いそこにしがみついているという印象が強くなる。
「小池都政をリセットする」と息巻くのもいいが、変化の早い時代のリーダーを狙うなら、まずは自分の見せ方をリセットしたほうがいいと思うのは、私だけだろうか。
小池百合子都知事の出馬表明はまだ(時事通信フォト)
1993年の小池百合子都知事(時事通信フォト)