再始動か
「もちろん、元気ですよ」
テイチクレコードの元社長で『喝采』のプロデューサーを務めた東元晃氏は、現在もちあきと連絡を取り合う数少ないひとり。サブスクについて本人と話し合ってきたのも彼女が“芸能界の父”として信頼する東元氏だった。
「何か構えてビジネスをやろうという発想ではなく、彼女と話したのは、“みなさんが望んでくれる時期が来れば、それに応じたやり方をするのがわれわれの生き方だよね”ということです。サブスクのことも本人はまったく力んでいないし、きわめて自然な流れで話したことでした」(東元氏)
ちあきは今年9月の誕生日に喜寿を迎えるが、健康面に問題はなく、都内で穏やかに暮らしているという。
「もちろん、元気ですよ。何十年も外に出てないという話になっていたけど、実情を知っているわれわれからすれば何でそうなるの?と。子供の頃、真っ黒になって日焼けしながら走り回っていたという話を聞いたことがありますが、物静かに見えて彼女はスポーツが好きなんです。特にボクシングや野球を中継しているときはテレビにかじりついて見ているそうで、大谷翔平選手のことも応援しているのではないでしょうか」(東元氏)
さらに古賀氏が振り返る。
「ボクシングは郷さんと出会う前から好きだったようで、歌手を目指したのも元プロボクサーの『関光徳さんに会いたかったから』だと、目を輝かせながら話していました。
試合前に過酷な減量をするボクサーを見て『あんなに大変な思いをしてまで、どうしてリングに上がりたいのか』と言っていたこともあります。歌と必死に向き合い、1曲1曲が闘いだったちあきさんには、自身の境遇とボクサーの生き様に重なるところがあったのかもしれません」
徹底した完璧主義者として知られたちあきは、100%納得できなければ歌う意味がないと考えていた。
「大スターでありながら、自分を過小評価するようなところがあり、“私なんてダメ”だとか悪いところばかり気にするんです。歌入れに納得がいっていないときは、顔付きがしょんぼりしているのですぐにわかるんですよ」(古賀氏)