「原作を大事にしてくれる方でないと難しい」とは聞かされていなかった
同年4月に入り、主に俳優の選定について日本テレビ側と小学館側でメールの交換が続いたが、そうした中で日本テレビ側から脚本家の決定が伝えられた。
〈社員A は、4 月19 日、日本テレビ社員Y 氏より脚本家として本件脚本家が決定したとの連絡を受けた。なお本件脚本家によると同氏は、脚本作成を受諾する際、日本テレビから、「原作を大事にしてくれる方でないと難しい」などの社員A が3 月9 日に注意した事項については聞かされていなかったとのことである。他方、日本テレビ社員Y 氏によると、芦原氏が「原作へのこだわりが強い方」ということは、本件脚本家と初めて面談した4 月15 日に伝えた、ということである〉
その後、脚本をめぐって原作サイドは何度も日本テレビサイドに修正を依頼することになるのだが、正式契約に至る6月になって、あらためて芦原さんの思いが以下のように伝えられた。
〈そこで社員Aが翌9日、芦原氏に意見を聞いたところ、当時既に本件脚本家の脚本を信頼できないと感じていたと思われる芦原氏から(中略)、ドラマオリジナル部分は自分で書きたいとの意向が示されるに至った。
社員Aからこのことを聞かされた社員Bは、契約の根幹にも関わることから、日本テレビ社員Y氏の上司である日本テレビ社員X氏に申し出る必要があると判断した〉