社員Bは、ドラマ終盤のオリジナル部分について芦原さん自身が脚本を書かざるを得ない場合があることの「覚悟」を芦原さん本人に直接確認していた。報告書の中では、社員Bが〈そのような事態は脚本家に礼を失することになると気にかけていた〉としたうえで、こう続く。
〈(社員Bは)日本テレビ社員X氏に対して、連載中の作品であり、ドラマの第8話~第10話では、原作にない部分を描くことになるが、このことは原作者である芦原氏にとって非常にセンシティブであるうえ、芦原氏はかつて自作の映像化事例において、監修したプロット・脚本などに細かく修正を加えたことから、今回はドラマの脚本家ではなく、芦原氏にドラマオリジナル部分を考えてもらい、小学館側から提案する方が良いと申し出ていた。
そして小学館からの提案の形態はセリフを多めにした芦原氏の詳細プロットで行い、これを脚本家に忠実に脚本に起こしてもらうが、芦原氏が了承しない場合は芦原氏自ら脚本を執筆する可能性があることの理解を求めた。さらに予め脚本家の了承を取っておいてほしいとも要請していた〉
これらを踏まえて、両社は契約へと進む。
(6月3日19時45分配信の別稿【『セクシー田中さん』小学館調査報告書 日本テレビとの契約時のやりとり詳報「脚本もしくは詳細プロットの体裁で」】へ続く)