予備のトイレットパーパーまで根こそぎ持ち帰る人もいる(イメージ)

予備のトイレットパーパーまで根こそぎ持ち帰る人もいる(イメージ)

「やはり多いのは、来客用トイレからの、トイレットペーパーの持ち帰りですね。ある日など、各個室にあったストックのものまで根こそぎ10ロール以上持ち去られました。買い物袋が有料になって以降は、無料のポリ袋を大量に持ち帰るお客様がいます。とにかく、必要以上に持っていかれては困るので注意しますが、すいませんと謝罪される人もいれば、必要だから取っているといって反論してくるお客様もいるんです」(佐々木さん)

 スーパーマーケットなどでは、購入後の荷物を整理する台にロール式のポリ袋がサービスとして設置してある。購入品の水分などが他の品に付着しないように包むのだが、そういった心配がある品数よりもかなり多めに、ロールをぐるぐる回して袋を持って帰る人たちがいるのだ。それでも、ロールごと持って帰ろうという極端な例をのぞけば、お客様に直接、注意するのは難しいだろう。

 だが、トイレットペーパーの持ち帰りなどは「窃盗」にもあたりそうなものだ。ところが、かつて佐々木さんが気付き、声をかけた「トイペ持ち去り客」は次のように無茶苦茶な反論をしてきたという。

「誰でも使っていいものだから持って帰ってもいいとか、よくわからないことを仰られて話になりませんでしたね。他にも、持っていくなとは書いていないとか、たかだか何十円のものに目くじらを立てるなとまで言われました。その”たかだか”をケチっているのがお客様なので自分のことを言っているわけですが、まあ、本音は言えませんよね」(佐々木さん)

 客用のトイレだから、設置されたトイレットペーパーを使うのは構わない。しかし、そこにあるから、誰でも使えるものだからと言って、丸ごと持ち去っていいことにはならない。だが、そんな当たり前の思考より、絶対に損をしたくない、人より少しでも得をしたいという気持ちが勝る一部の客たちは、持ち帰りを止めようとしないのだ。

「そういうお客さんって、たとえば友達の家に行ってトイレを借りても、同じようなことをしてるんじゃないかとゾッとします。常識や関係性より、損得勘定が先に出ちゃうんでしょうね」(佐々木さん)

役所の植え込みから草花を持っていく人たち

 こういった人々がやっていることは、厳密に言えば「窃盗」に当たるだろう。だが、現実的に彼ら、彼女らがポリ袋やトイレットペーパーの窃盗を理由に検挙されることはまずない。おそらく、窃盗した人物だけでなく、被害を受けた側や司法当局も「それくらいなら」と考えているからだろう。しかし「それくらい」を見過ごした結果、とんでもない状況に至っている例もある。関西地方在住の市役所職員・冨田敏明さん(仮名・50代)が明かす。

「市役所の玄関に、市民ボランティアの方が色とりどりの季節の草花を植えてくださっていますが、必ずといっていいほど、根ごと持っていかれるんです。しかも、持っていく人は1人ではない。高齢の方もいれば、若い方もいて、男女だって関係ないんです。一見、普通の市民の方々が、こっそり、サッと持っていかれる」(冨田さん)

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