国民の代表、地域住民の代表を選ぶ選挙だが、ネット選挙が解禁されたり政見放送がネットでも公式に見られるようになって以降、少し違った感覚で選挙を体験する人たちもいる。なぜ東京都知事選挙には、これほど多くの立候補者が集うのか。ライターの小川裕夫氏が、過去の選挙取材などから考えた。
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小池百合子都知事が2024年6月12日に3選出馬を表明。6月24日に告示、7月7日に投開票の東京都知事選には、これまで現職の小池百合子氏のほか参議院議員の蓮舫氏、前広島県安芸高田市長の石丸伸二氏、タレントの清水国明氏、元航空幕僚長で2014年の都知事選にも出馬した田母神俊雄氏、元迷惑系YouTuberのへずまりゅう氏などが立候補を表明している。
都知事選は全国各地で実施されている地方選のひとつに過ぎない。それにも関わらず、毎回のように多くの立候補が出揃う。
なぜ都知事選は全国から注目を集め、たくさんの人が立候補するのか。前回2020年の都知事選は、22名による争いとなり都知事選史上最多を記録した。今回の都知事選は、それを上回る50人超が立候補の意向を示しているという。なかでも、元参議院議員の立花孝志氏が率いるNHKから国民を守る党が20人以上を擁立すると事前から宣言していることの影響が大きい。
そうしたイレギュラーな事態はともかくとして、以前から都知事選は毎回多くの候補者が立ち、情報量も話題性も大きかった。
その理由は何よりもマスコミ報道が過熱することが大きい。なぜ、マスコミ報道が過熱するのか。それは、東京都がほかの46道府県と比べて人口・財政ともに突出しているからにほかならない。
東京都は人口が約1400万人。東京都の一般会計・特別会計・公営企業会計を合わせた全体の予算規模は約16兆5000億円にものぼる。これはスウェーデンの国家予算に比肩する。
そのため、東京都の浮沈は都内の市区町村のみならず、ほかの46道府県、果ては諸外国にも及ぶ。そんな国家レベルともいえる東京都のトップを選ぶのだから、その選挙に注目が集まらないわけがない。