司忍六代目山口組組長(時事通信フォト)

司忍六代目山口組組長(時事通信フォト)

 一つ目が2022年1月に茨城県水戸市で起きた六代目山口組傘下組織・一心会幹部の射殺事件だ。

 当局の見立てでは、当日、金澤容疑者は近くの洋菓子店でケーキを購入。それを手土産にして事務所に乗り込み、殺害した。事件は一心会と絆會の勢力争いの暴発だった。金澤容疑者は、一心会のプレッシャーを跳ね返すために若頭を殺害。一心会は即座に報復を行ない、伊賀市で絆會直参組長を銃撃している。

 二つ目がこのラーメン店主殺害事件だった。

「普通のヤクザなら、一度事件に使った拳銃はすぐ捨てる。海や川に投げ捨てれば、ほぼ絶対に見つからない。金澤若頭のようなタイプは、拳銃がないと落ち着かないから、事件に使った銃を捨てられなかったのだろう。つまり新しい道具を買う金がなかったとしか思えない」(警察関係者)

 逮捕された際の所持金も長期間潜伏できる金額ではなかったという。死刑を恐れず、次々と事件を起こした金澤容疑者もまた、哀しきヒットマンでしかない。

事件に関しては完全黙秘

 金澤容疑者の指名手配写真は、連続企業爆破事件の桐島聡の隣にレイアウトされていた。

 今年1月29日に桐島が死に、マスコミが連日騒いだため、隣に顔写真があった金澤容疑者に注目が集まり、当初はそれが急転直下の逮捕に繋がったという見方もあった。だが、潜伏していた最寄りの駅から徒歩で30分以上かかる仙台市内のアパートで、車での移動が大前提のエリアだ。東日本大震災以降、流入人口が多く、住民同士の交流はほぼない。近隣住民の「町内会費を払わない人」という証言はあったが、通報されるような環境には思えなかった。

 そのため六代目山口組は、絆會のイメージダウンのため「身内がチンコロ(密告)したんだろう」と喧伝しはじめた。

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