警察や軍関係、暴力団組織などの内部事情に詳しい人物、通称・ブラックテリア氏が、関係者の証言から得た驚くべき真実を明かすシリーズ。今回は、刺青とタトゥーの違いについて。
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「あの人が腕に入れているのは本物の刺青なのかどうか、見てほしい」、という相談を受けた。刺青とタトゥー、その筋に詳しい者じゃなくても、最近は一般人でも簡単に区別がつくのではないだろうか。
聞いてきたのはあるジャーナリストだ。あるNPO法人の団体が公表している会計報告について、自身のブログで懐疑的なコメントをしたところ、代表者からクレームがきたのだという。その代表者に以前会った時、腕に入れている刺青をチラ見せしながらまくしたてられ、”昔、ヤクザだった”とすごまれたので、話し合いの場に一緒に来て刺青が本物かどうか確認してほしいと頼まれたのだ。
刺青とタトゥーの違いをネットなどで調べると、皮膚に針を刺す深さによって区別しているものもあるが、どれもファッション的な意味が強いものをタトゥーと捉えているようだ。ある暴力団の元組長はその違いを「刺青は秘するもので、タトゥーは見せるもの」と表現した。「ヤクザは滅多なことで人に刺青を見せることはない。大っぴらに見せたのは祭りの時ぐらいだ」という。隠すのが刺青だという昔カタギの考え方を持つヤクザなら、「入れるのは背中、肩、腕の順。普段見えるようなところには入れない」と話す。
日本にも増えてきたが、外国人に多く見られるのがタトゥーだ。肩や足首などにワンポイントや、全身びっしり色鮮やかに入れるなど、タトゥーに対する考え方や捉え方は人によって様々だが。ファッション性が高いせいかデザインも豊富で、人の目につく場所に入れていることが多い。有名人やアスリートなら彼らを形作る個性の一部となっている場合もある。
国によってはそれが民族を表す象徴や、成人の印であったりと大事な意味を持つ所もあれば、2週間ほどで消えるヘナなど植物由来の染料を使って身体に模様を描くボディアートとして親しまれている所もある。「もうカタギには戻らない、戻れない」という覚悟を込めたヤクザの刺青とは異なり、タトゥーの持つ意味も国や民族によって千差万別。東南アジアなどではホテルのプールで、手足にびっしりタトゥーをいれたお父さんが、躊躇することなく普通に子供を遊ばせているのを目にするが、日本のプールや温泉では見ない光景だろう。