第30回小学館ノンフィクション大賞を受賞した新刊『力道山未亡人』。発売即重版と話題書になるなか、落語家の春風亭一之輔(46)と、22歳で夫を亡くした力道山の妻・田中敬子さん(83)の異色対談がラジオで実現した。著者・細田昌志氏や元プロレスラーの北沢幹之氏(82)、ニューラテンクォーター元社長・山本信太郎氏(89)、元テレビ朝日アナウンサーの舟橋慶一氏(86)も参加して豪華なクロストークに。昭和の裏面史が鮮やかに蘇る。
【座談会の全編はラジオ特番『「力道山×田中敬子 61年目のハッピーウェディング』として6月29日深夜0時からJFN各局で放送された。放送から1週間以内はラジオアプリ「radiko」にて聴き逃し配信を実施】
一之輔:昨年末に力道山の没後六十年を迎えて、今年は生誕百年。節目の年が続きますが、これに加えて、敬子さんを主人公にしたノンフィクション『力道山未亡人』が話題を集めています。今の率直なお気持ちを聞かせて下さい。
敬子:正直、自分でも何が起きているのか理解が追いつかないです(苦笑)。
一之輔:著者の細田昌志さんにお聞きしたいんですが、作家の安部譲二さん(2019年に他界)に薦められて、この本を書いてみようと思ったとか?
細田:そうです。安部譲二先生と敬子さんは日本航空の同期で、晩年も年賀状のやりとりをされていたので「いつでも紹介するよ」と。
一之輔:お互い日航の客室乗務員だったんですよね。当時の呼び名でパーサーとスチュワーデス。
細田:安部先生いわく、国際線のフライトで、敬子さんとよく一緒になったそうです。「深夜になると退屈だった」とも。
敬子:だって、お客様も眠ってしまうし、窓の景色も見えなくなるから、何もすることがないのよ。
細田:そんなとき、安部先生と敬子さんはこっそり酒を飲んでいたらしくて(笑)。
敬子:そうそう、ファーストクラスのお客様が残した高いワインとか飲んでました。今は絶対にダメですけど。
一之輔:昔もダメですよ!(笑)
敬子:ま、時効ということで(笑)。