『エヴァ』人気キャラクター・アスカのコスプレをするアメリカ人女性(本人に許可を得て撮影)
「100円ショップの品物は、一見便利なように見えて、あまり日常生活には役立たないものも多いという印象で、母親もがっかりしていました。そう考えると、ほとんどいらないものだらけで、安いからといって不要なものを作り続け、それを買い続けているのではないかと思わずにはいられない」(ファナさん)
楽しみにしていた旅行でファナさん親子が目の当たりにしたのは、母国では「足りない」とされる生活雑貨や食品は、日本には捨てるほどある、という現実だけだった。
「日本は豊かな国だと思いますが、何もかもが必要以上にあって、SDGsの精神には全く反しているなと感じました。コンビニでも、売れ残った食べ物は廃棄されると聞いて驚きました。日本の豊かさの裏には、やっぱり不都合な事実がある。だとしたら、日本のようにモノに溢れた生活はしたくないし、すべきではない」(ファナさん)
すっかり、日本のリアルを知り「資本主義のネガティブな側面」を見た気分になったファナさん。日本へのあこがれはすっかり消え失せたのかと問うと、強く否定された。
「とんでもないです。実際に日本を訪れてみて、初めて知った事実もたくさんありますし、素晴らしいという点は変わらない。ただ、日本人が誇る日本のすごさや素晴らしさと、私たち外国人の感覚には差があるような気がします」(ファナさん)
日本絶賛だけではない、来日外国人旅行者が抱く「本音」。それによって新たに気づかされる自分の本音がある。日本に暮らす我々は、「空気を読んで」多数の意見に流されて、実は居心地悪く思う感情にフタをしている。すし詰めの満員電車も、必要な量以上にモノが売られていることも本当に当然のことなのか。外国人観光客の語られざる本音が、日本人に問いかけているようにさえ見えるのだ。