白塗りの奇抜メイクにウィッグ姿でライブ出演した田村修被告(本人のFacebookより)
読み上げられた被害者妻の調書
開廷すると、証拠調べが行われ、検察側が請求した証拠として被害男性の妻の調書が読み上げられた。
「夫が殺されたと知った時の気持ちを話します。最後に言葉を交わしたのは7月1日の朝です。いつもと変わらない朝でした。長男が夕方に来ることになっていました。仕事に出る時、夫に3人でご飯をするかと聞いたら『今日出かけるからいらないわ』と言われ『わかった』と返事をしました」(被害者妻の供述調書より)
3〜4年前から被害男性は週末に女装をするようになったという。ススキノに遊びにいく時にはいつも泊まりがけだったといい、妻は“いつものこと”と気にもとめず、夫を送り出した。しかし翌2日の夜にも帰らず、さらに3日朝になっても夫が帰った様子はない。夫の勤務先から電話がかかってきて「出勤していない」と言われたが、事件に巻き込まれていると頭によぎることもなかった。
3日の夜も帰らず、義理の姉夫婦と警察で事情を説明した。すると、「(札幌)中央署の刑事が来るのを待ってて」と言われ、別の小さな部屋に通されたという。
「防犯カメラの映像を3〜4枚見せられて、そこにはウィッグとスカートの、夫によく似た人が映っていました。背格好や立ち姿も似ていて、家から女装して出る時の化粧に見えたし、全体的に、あっ、パパだろうなと思う人が映っていました」(同)
何があったのか、なかなか話そうとしない刑事はようやく重い口を開いた。遺族にとってショッキングな内容だった。
「刑事さんはようやく『ススキノで遺体が見つかった』と言いましたが、何を言っているのかよく分からなくなりました。『遺体の指紋が本人か確認したい』というので『顔を見れば確認できます』と伝えると『実は頭がないんです』と言われました」(同)