田村被告の自宅前
衝撃は強く、この時のことを順序立てて思い出すことができないという被害男性の妻。事件から時間が経った現在でも夜中に突然目が醒めることがある。精神状態は良くなく、「冷静にいたい」と考えながらもネットの書き込みなどを見てしまい、腹が立つなどしてしまう状態だという。
「何があったのか、本当のことを知りたい。捜査で真実が明らかになることを願っています」(同)
調書ではそんな被害男性の妻の悲痛な思いも明かされた。
「私にとっては良い夫で、子供にとっては良い父でした。いろんなところに連れて行ってくれて、愚痴を言わず、家族のために仕事を続けてくれていました。一緒でリビングで時間を過ごし、誕生日にはご飯を食べに行ったり、独立した後の子供が家に来ると一緒に食事に行ったりしました。私の車のタイヤを交換してくれて、お礼に寿司を奢ったりもしました。今後も同じように穏やかな日々が続くと思っていました。
『子供達にもいずれ孫ができるのでは』と夫は楽しみにしていた。私は、いつか歳をとってどっちかが死ぬ時、ありがとう、と言って終わりにしたいと思っていました。そういう未来があると思っていました」
瑠奈被告とのトラブルにも言及していた。
「加害者との間になにかあったのなら夫に代わって私が謝りたい。しかし、なぜ夫が殺されなければならなかったのか本当のことを知りたいです」
被害者妻は、夫の女装が好きではなかったというが、現在でも思い出すのは「女装をしている夫の姿」だという。
◆取材/高橋ユキ(ジャーナリスト)
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