弁護側は「宇宙人に会ったことがある」と主張
今回の事件の被害者とされる女性たちは、いずれも千秋被告のアルバイト仲間だった。
対する弁護人は、証言台の前に歩み寄り、さらに詳しく一夫多妻生活の実態を明かした。
「人には様々な生き方があります。時として我々は、経験や常識から外れた、未知なものに出会うことがあります。我々はそれに恐怖を感じることもある一方で、魅力を感じることもある。博仁さんと千秋さんは確かに、我々の常識と違った暮らしをしていた。だからといって、強引に事実認定をしたり、解釈すべきではない」
「博仁さんは20年以上前から、複数の女性と一軒家で生活しており、逮捕当時は10人の女性と一緒に暮らしていた。6人が働きに出て、主にその収入で暮らしていた。ほかの4人は主に家事や送り迎えなどを行い、子供4人とも同居していた。夕方には皆で集まり食事をし、休みの日にはアウトレットに出かけたりしていた。具合が悪くなれば他の家族が病院に連れて行く、それぞれが大切な家族でした。
そんな女性たちにとって、博仁さんの魅力は、穏やかで優しいところ。優しいのは人に対してだけではなく、8匹の猫もいて『猫部屋』として専用の部屋もあった……」
ゆっくりとした足取りで法廷に現れた博仁被告は、カーキのジャンパーに、カーゴパンツという若々しい装い。弁護側冒頭陳述によれば、彼はかねてより宇宙人やUFOに関心があり雑誌『ムー』を定期購読していた。博仁被告にこうした興味関心が生まれたのは、なんと“宇宙人との邂逅”がきっかけだったと、弁護人が続けて語った。
「なぜ博仁さんが、宇宙人やUFOを信じているか。それは、彼は以前、宇宙人に会ったことがあるからなのです。世界の人々を減らす計画があり、日本人女性が狙われている。それを助けるために女性を集めないと、性的関係を持たないと、といわれていた」